『今日好き パタヤ編』最終話ーー「大好きでした」と“過去形”の想いを伝える “良い思い出”として昇華する別れ方に

『今日好き』の恋は、“誰かを応援したい”という想いから生まれている

 そんなひなたの想いを受け取ったはなみちは、当初の決意通りにねねに告白。その想いこそ届かず、はせはるが隣でこの旅いちばんの笑顔を輝かせながらも、注目すべきはここから。ポケットから取り出したインスタントカメラで、カップルになったばかりのはせはる×ねねを記念撮影したいというのだ。

 たとえ自身がカップルになれずとも、大切な友だちだからこそ、ふたりのことを応援したい。ひなたがはなみちに宛てた手紙にも、彼の幸せを願っているという旨が記されていたが、その想いをはなみちから、はせはる×ねねへと受け継いでいくような光景だった。

 今回の一連の告白を見て、『今日好き』の恋は誰かが誰かを応援する、心温まる連鎖の上に成り立っているのだと思えた。そして、はせはるとはなみちの関係性のように、たとえライバルになったとしても、自分以外の誰かに応援したいと感じてもらえるほど、魅力的なメンバーが揃っているのだとも。それほど人間力に恵まれた高校生もなかなかいないだろう。

 カップルとして結ばれたメンバーだけでなく、たとえ失恋しても好きな相手と想いを通わせていたはなみち、ひなた、そして本稿では触れきれなかったたいしを見て、やはり『今日好き』には素晴らしい高校生が集まるのだと改めて実感できる最終話だった。

【場面写真】『今日、好きになりました。パタヤ編』最終話ハイライト

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