漫画愛と独特のワードセンスが炸裂 漫画メシ再現チャンネルがYouTubeで人気なワケ
5月2週目、漫画に登場する料理を再現する「ズボラの漫画飯再現料理」チャンネルが新作動画を投稿。1度は食べてみたい漫画メシの料理動画は、どこに魅力があるのか。今回は、ズボラの漫画飯再現料理チャンネルの新作動画から、その面白さの理由に迫ってみたい。
「ズボラの漫画飯再現料理」は、グルメ漫画の魅力とグルメ漫画料理の面白さを伝ることをテーマに、作品に登場する料理を再現した動画を投稿しているチャンネルだ。2020年5月にチャンネルを開設すると、人気グルメ漫画に登場する料理を自ら調理する動画を立て続けに公開。チャンネル登録者数は9.5万人と、あと一歩で10万に届くところまで来ている、いま注目のチャンネルだ(5月18日現在)。
5月7日に公開されたのは、講談社の週刊漫画誌『モーニング』で連載されている『焼いてるふたり』第3巻に登場する“ぐるぐるソーセージ”を再現した料理動画。このチャンネルでは、「漫画に書いてある情報のみ」で料理を再現しており、今回も漫画に登場する情報だけを頼りに再現に挑戦している。ネットで調べればすぐにレシピが見つかりそうだが、チャンネル運営者の男性はネットの情報をあえて頼りにしない理由については、「うまい作り方ネットで調べてしまっては面白くありません!」と説明している。
今回の動画では、「ソーセージなんて作ったことがありません!」と話すチャンネル運営者が、ソーセージのネタを作り、羊腸に肉を詰めるとことろからスタート。腸詰めの工程でかなり苦戦しており、小さなものから少し長めのものまで、さまざまな大きさのソーセージができあがっている。「実力はないけどだが情熱はある!」と根気よく作り続けると、最後は大きさがバラバラなソーセージをうまくつなぎ合わせ、なんとか1本のぐるぐるソーセージを完成させている。
これまで投稿された動画のなかには再現に成功しているものもあるのだが、今回はうまく再現できなかった模様。のちに、漫画に記載されている方法とは異なる作り方をしていたことが判明したようだ。撮影後にあてられたナレーションでは、「ぜんぜん作り方違いました!」と、調理方法を間違っていたことを暴露。さらに動画の最後に収められている実食シーンでは、「まったくおいしくございません」と感想を述べるとともに、家族からも酷評だったことも明るく告白したのだった。
漫画メシの再現もさることながら、このチャンネルではナレーションも大きな特徴のひとつ。漫画の内容をテンポよく、面白く解説してくれるのだが、このナレーションにクセになる視聴者が続出している。今回ピックアップされた漫画は、マッチングアプリで出会い、交際ゼロ日婚した夫婦を主人公としたほのぼのとした作品だ。しかしこの動画では、チャンネル運営者の主人公に対する毒付いた嫉妬が笑いを誘い、作品への興味を掻きたてられる。さらに動画には料理工程の説明や感想のほか、ツッコミとオチまでしっかりと入れられており、エンタメ色の強いコンテンツに仕上がっている。
漫画やアニメに登場する料理を再現した動画を投稿する動画はほかにも存在するが、このチャンネルの魅力は一体どこにあるのか。その魅力はまさに、チャンネル運営者から溢れでる漫画愛と、テンポがよく、ユニークなワードセンスが光るナレーションにほかならない。誰もが「1度は食べてみたい」と思う漫画メシを“失敗覚悟”でチャレンジする攻めの姿勢も相まって、視聴者の驚きとワクワク、笑いを誘っていることは間違いない。ズボラの漫画飯再現料理チャンネルは、料理動画を完璧にエンタメ化させた、唯一無二のコンテンツを世の中に送り出している、YouTubeならではのチャンネルといえるだろう。
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