元局アナ・森香澄、NiziUも挑戦した「#ポーズチャレンジ」がトレンドに グローバルに広がるTikTokとK-POPの関係性

 TikTokの「#ポーズチャレンジ」がトレンドになっているのをご存知だろうか。ハッシュタグ自体は以前から存在しているが、新しい遊び方が日本をはじめ、海外でも流行している。どのような遊びなのか、何がユーザーを惹きつけているのか調べてみた。

@mori_kasumi_ 最後髪ボサボサになった🥹#fyp ♬ After LIKE - IVE

 百聞は一見にしかず。まずはどんな遊び方なのかを知るために、フリーアナウンサーの森香澄が投稿した動画をご覧いただきたい。動画は撮影者がカメラに背を向けた森の肩を軽く叩いて呼び止めるところから始まる。森は姿勢を崩したかと思いきや、振り返り、音源のリズムに合わせてポーズを取っている。ここまでの一連の流れがトレンドになっているのだ。

@kageihina

これ撮ってくれる人大変すぎない?笑笑


♬ After LIKE - IVE

 フォロワー1000万人超えのクリエイター・景井ひなもトレンドを押さえた動画を投稿。ビルの屋上と思しき開放感のある場所で、撮影している。

 流行は日本だけにとどまらない。タイのガールズグループ「4EVE」のメンバーであるHannahもこのトレンドを押さえた動画を投稿。こちらはメンバー4人が1人ずつポーズを取っている。最初の肩を押す演出が省かれているのは、日本よりも暴力的な描写への配慮が求められるタイならではのアレンジかもしれない。

@ive.official IVE 3rd SINGLE ALBUM &ltAfter LIKE> MV https://youtu.be/F0B7HDiY-10 #IVE #아이브 #アイヴ #AfterLIKE #애프터라이크 #아이브의_사랑법_AfterLIKE ♬ After LIKE - IVE

 どの動画にも共通している点として、動きのほかに、使われている楽曲がある。韓国のガールズグループ「IVE」が2022年8月にリリースした楽曲「After LIKE」だ。IVEのMVでも、今回のトレンドと同様に楽曲のリズムに合わせて日本人メンバーのレイがポージングをしている。

 昨今の音楽シーンでは、TikTokの流行とともに、楽曲の早い段階でサビを持ってくる工夫がなされることが増えている。ピークを序盤に用意することで、すぐに次の曲に移らずに長く聴いてもらうための工夫だ。しかし今回のトレンドに使われている箇所は開始直後であり、サビではない。開始部分をサビと同じくらいキャッチーにするのも戦略なのだろう。

 話をトレンドに戻そう。人気の理由はどこにあるのだろうか。筆者は以下の2つの点で「楽しそう、撮影してみたい」と思わせるのだと予測している。

 1つ目はK-POPファンにはおなじみの韓国の音楽番組のような動画を撮れることだ。韓国の音楽番組はカメラワークやスイッチングが特徴的だ。アーティストのダンスの振りやフォーメーションの変更にぴったりと合わせて映像が動く。ダンスの練習動画などで定点カメラで観ていたダンスが、カメラワークを伴うと格好よく仕上がる。この差分を観られるのが音楽番組の醍醐味の一つだ。

 今回のトレンドでは、ポージングとカメラワークの両方を楽曲のリズムに合わせて行うことで、ポージングとぴったり合った映像を撮りやすい。まさにIVEのMVのような仕上がりを期待できる。

 2つ目の特徴は撮られる人と撮る人とのチームワークにあるだろう。

@niziu_official #ポーズ揃うかチャレンジ 🤟🏻 #ポーズチャレンジ #NiziU #ニジュー #RIMA #MIIHI #NINA #WithU #U ♬ てっただよー - てった🌨🧋🧸

 「#ポーズチャレンジ」というハッシュタグ自体は以前から存在している。2021年にNiziUが「#ポーズチャレンジ」をつけて投稿した動画では、3人のメンバーがリズムに合わせてポーズを取り、ポーズを揃えることに挑戦したもので、470万回以上再生されている。このように、過去の動画は、主に撮られる人同士の息が合っているかという点を捉えた動画になっている。

 今回のトレンドでは、ポージングをする人と、映像内に収まっていない撮影者との息が合うほど完成度が高くなる。以前の「#ポーズチャレンジ」と趣向は違うが、友だちと息を合わせて撮影する点では変わりないだろう。

 前述の景井ひなは、動画のキャプションとして「これ撮ってくれる人大変すぎない?笑笑」と書いている。撮影者が動きを攻略するのが肝になるようだ。

 実際にどのように撮影しているのかがわかる投稿した動画もある。スマホで写真・動画の撮り方をレクチャーするアカウントのあああつしが投稿した動画を観ると、撮影者のあああつしが映っているのだが、体勢を大きく変えながら撮影しており、その苦労が伺える。

 チームワークを求められるものの、今回のトレンドには高度なダンステクニックや高級なカメラ機材は必要ない。完成度を上げるのに必要なのは息の合ったチームワークだ。TikTokを始めたばかりで、友だちと楽しく撮影したいと考えている人はぜひ挑戦してみてほしい。

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