ラジオでの大喧嘩でコンビ解散の危機に “バキバキ童貞”で話題「春とヒコーキ」と放送作家が語る“冠番組の裏側”

エピソードはYouTubeよりもまずラジオで試す

――ラジオを始めてから、周囲からの反響は何かありましたか?

ぐんぴぃ:僕に関していえば、「こんなにしゃべれる奴だったのか」と周囲に認識していただけたと思います。YouTubeも最初の頃は僕の猟奇性をベースにした企画が多かったんですけど、自分の人生を話す企画が一番伸びていて。

 でも、自分では話がうまいと思ったことがないんですよ。だからあくまで“インターネットの無法者が実は意外としゃべれる”くらいの認識です。

――ラジオでもYouTubeでもしゃべりを売りにしてしまったら、コンテンツの差別化が難しいのでは?

ぐんぴぃ:エピソードは大抵YouTubeよりもまずラジオで話すようにしていますね。

土岡:やっぱりラジオのほうが熱量が高いというか、コアなファンの方々が聴いてくれている感覚があるからね。

ぐんぴぃ:そうそう。そういう方々に一度披露して感触が良かったエピソードをYouTubeでも話すことが多いです。あと、ラジオのほうが本当にやばいエピソードを話してます。

土岡:本当の意味で話せないことは話してないけど。

――先ほどの喧嘩回以外で印象的だった回やエピソードはありますか?

ぐんぴぃ:僕が実家へ帰ったときの話とかは、YouTube登録者の方々も聴きに来てくれるくらい注目されていますね。ただ、調子の良い回が続いた反動なのか、最悪の回(#44 それぞれのトイレ事情)がありまして。下劣なクソ回。その回は逆に印象に残っています。

土岡:僕はゲスト回が印象的でした。Yes!アキトさんにゲストで来ていただいたとき(#17)、ギャガーだから普段はどうしてもエピソードが出てくることが少ないので、ギャグを封じてもらったんです。どんな人生を歩んできたのかを聞きたかったので。そしたら人間としての話をたくさんしてくれたんですよ。そういうことはラジオでしかできないことだと思います。

山田ボールペン

ボールペン:僕は「ジジイは固めたまま割っていこう」(#21)が好きですね。若い人が才能に溢れていると主張している回。

ぐんぴぃ:昔は長く生きている人が豊富な知識を持っていて、その人から教わることがあるから敬うのが当たり前だったけど、今はインターネットがあるから知識量の差はないというか、むしろ若い人のほうが詳しかったり賢かったりすることがあるわけじゃないですか。だから無条件に年上を敬えというのは違うんじゃないか、といった話をしたんですよね。

土岡:『Dr.STONE』の獅子王司と同じ危険思想だ。

ぐんぴぃ:みんな石化してしまった世界で、能力的に見込みのある奴だけ蘇らせようって思想ね。でも、誤解しないでほしいんですけど、本当にそういう思想を持っているわけじゃないんですよ。本当におじいちゃん、おばあちゃんを大事にしようと思ってますから。

――なぜそういったことを話そうと思ったのですか?

ぐんぴぃ:爆笑問題さんは時事ネタ漫才で政治を切るような話をしますけど、普段からラジオとかで思想的な話ばかりするわけではないじゃないですか。あくまで漫才でボケるときのフリとして使っているというか。そういったことに憧れているんですよ。

 あと、ニッポン放送の石井玄さんが著書『アフタートーク』の中で、ラジオとはひと言でいえば“レコメンド”であるといったことを書かれていて。要は、自分がいいと思うもの、面白いと思うことを勧める場であると。

 それまではラジオのために何かエピソードを用意しなきゃと思っていた時期もあったんです。エピソードのために旅行してみるか、とか。でも、自分が純粋に面白いと思うことを熱量をもって話せばいいんだと思えるようになってから、ラジオに対する意識が変わったと思います。

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