『VTuber最協決定戦』本戦は今日18時から! 今大会に“注目すべき理由”をその功績と共に語らせてほしい
渋谷ハルが「協力」をテーマに掲げる理由、大会運営への向き合い方
『V最協』をギュっとまとめてみると、大会名にもある通り「協力」というテーマを大切にしていることが見えてくる。こうしたコンセプトを渋谷ハルが掲げる理由を、彼の配信内容・人柄から読み解いてみよう。
渋谷は配信中だけでなく配信外のSNS上においてもファンとの対話・交流を深めることの多いVTuberとしても知られている。頭の回転が速いタイプでリスナーとの対話に慣れた彼は、配信中のコメント読みも積極的におこなう。それにくわえて、「答えづらい質問」や「いまリスナーが答えてほしいこと」をあえてピックアップし答えてくれるのも彼の特徴だ。
こういったコメント読みのスタンスを続けていると、時に本人も意図しない形で発言をピックアップされてしまうこともある。しかし、それは普通ならばスルーされるような質問・トピックであっても積極的に自身の意見を述べ、ファンと真摯に向き合って交流してきたからこそでもある。
「『Apex Legends』が盛り上がってほしい」というスタンスを掲げ、国内においてコミュニティリーダーとしても知られている渋谷。彼の意見は正鵠を射た内容であることも多く、発言がピックアップされやすいこと、彼に注目が集まることは「信頼されるポジションにいる」ことの証左でもあるのだ。
2020年11月から毎週木曜に視聴者参加型のカスタムマッチ企画『渋谷ハルカスタム』をスタートさせ、一般参加の視聴者らを中心に、VTuber〜バーチャルタレント、ストリーマー、時にはプロシーンで活躍するプレイヤーや歌手など、幅広いインフルエンサーらが参加するようになった。この企画でも明らかなように、配信者側と視聴者側が双方に盛り上がれる一体感を強め、VTuberコミュニティだけでなくFPSコミュニティにも多大な貢献をしてきた。
『V最協』に関しても、「立ち上げ配信」といった体で「次回の『V最協』はポイント基準(※1)どうしようか?」などとリスナーとともにルールを見直してみたり、マップ選定などをしてみたりと、「どうすれば大会が成功するか」を頭をひねらせて考え尽くし、試行錯誤する姿を配信で見せてくれている。
(※1:『VTuber最協決定戦 SEASON5 Ver APEX LEGENDS』において、各出場者には『Apex Legends』の最高到達ランクに応じたポイントが割り振られる。各出場者は下限17ポイントおよび上限21ポイントの範囲内でチームを結成するルールが設けられている)
こうした、大会の根幹部分についてファンやリスナーにハッキリと見せつつ、ともに考えてみようというスタンスも、多くのリスナーやファンが親近感を持って大会を応援できる理由でもある。他にも何かしらの進捗があれば配信枠を取って答えたり、出場するVTuberに向けてメンバー確保のための橋渡しを担い、過去の『V最協』でも練習カスタムを開くときは彼が中心となってきた。
約1年ぶりの開催となった今回の第5回大会は、以前にも増して配信者とリスナーの強固なつながりが目に見える形になった。
その理由は、『Apex Legends』の今年1月11日におこなわれたアップデートで、プレイヤーは誰でもカスタムマッチ(プライベートマッチ)を作成することができるようになったからだ。これまではサービス運営元のElectronic Artsが権限を与えた一部のプレイヤーしか開催できなかった「カスタムマッチ」。この変更によって、誰でも友人戦を楽しんだり、個人で大会を主催したりできるようになったのだ。
この大きな変化は多くのプレイヤーが待ち望んでいたアップデートであり、一般プレイヤーのみならず、結果的には今回『V最協』などの大会に出場するVTuberやストリーマーにも大きな恩恵を与えることになった。
配信者自身とリスナーを交えての視聴者参加型マッチが開催できるようになり、実践的な練習を重ねることが可能となった。大会を通した交流をリスナーともさらに図りやすくなり、リスナー自身も応援するチームの後押しや練習に協力する環境が整ったのだ。
今大会での注目チームというと、にじさんじ所属の葛葉、エクス・アルビオ、不破湊によるチーム「英吸不滅(AQF)」があがる。彼らは過去にも同じメンバー、同じチーム名で大会に参加しており、今大会で再結成した形だ。
当然大会にかける思いもかなり強く、優勝を目標に掲げ、出場メンバー発表された3月13日からカスタムマッチを利用して大会練習を開始した。
すると次々に同大会に出場するチームが参加するようになり、数日が経つ頃には半数以上のチームがチームでの練習を開始し、練習カスタムマッチに参加するようになったのだ。
渋谷ハルが主導する公式のカスタムマッチもこれまで同様に行なわれることは決まっていたものの、『Apex Legends』をプレイするのはしばらくぶり、そこに大規模なアップデートによって大幅に環境が変化していることもあり、「本番までに腕を戻そう」「いまの環境に慣れよう」という不安感や向上心をもった出場者が多くいた、ということでもある。
このように、カスタムマッチが開けるようになったことで出場者は『V最協』に向けた練習をこなすことができ、リスナーは「憧れのVTuberらや自分の推しとゲームできる」という、双方がWIN-WINで成り立つ夢のような空間が生まれたのだ。
かくして、大会本番となった本日までの1か月もの間、出場者・カスタムマッチ参加リスナー・視聴者は『Apex Legends』漬けの毎日を送ることになった。ここに至るまでにも多数の“おもしろ”シーンや、白熱した試合を見せてくれており、すでに多くのファンが花丸を与えたくなるほどに満足しているのではないだろうか。