「ファンのたまり場」としての飲食店事業が増加? ジュキヤ&中町JPのバー共同経営から考える

 人気YouTuberがその知名度・影響力を武器にサイドビジネスに着手することは、今や珍しくない。その中で飲食店経営が、一つのトレンドとなりつつある。

JPとジュキヤでお店を開く事になりました‼︎

 YouTuberの中町JPとジュキヤが4月11日、バーを開業すると発表。その詳細がそれぞれのYouTubeチャンネルで公開された動画内で語られた。2人は1年ほど前から頻繁に飲みに行く仲となり、「こんなに飲むんだったら普通に自分たちのバーを作りたくね?」という話になったという。そこから徐々に準備を進め、この度、バーをオープンする手筈を整えたのだとか。バーの名前は、ジュキヤの「J」と中町JPの「J」を取り、「Bar J&J」。開業場所は渋谷の道玄坂で、営業時間は20:00~6:00。肝心のオープン日だが、中町JPは「ゴールデンウィークぐらい。5月頭ぐらいには始めたいと思っている」と目標を語った。

 また今回、従業員の募集も行われた。動画の概要欄によれば、応募条件は、YouTubeやSNSにて顔出しが出来る20歳以上。特に週5日~働ける人、フォロワーの多いインフルエンサーを優遇し、時給は1100円~1500円とのことだ。書類選考通過者を対象にしたオーディションも実施し、その模様は動画で紹介するという。さらに、完全に他人任せで運営するのではなく、中町JPとジュキヤも「ゲリラで出勤する」そうで、運が良ければ2人に会うチャンスもあるというから、ファンにとってはうれしい交流の場となりそうだ。

 とはいえ、懸念点もある。2人のファンが大挙して訪れ、あまり注文もせず席に陣取り、長時間居座ってしまう可能性も考えられる。バーはあくまでお酒を楽しむ場所であって、出待ちする待機所ではない。そこで中町JPは、「団体8人とかで来て、お酒を一杯しか飲まないとかだと正直、迷惑」とくぎを刺し、ジュキヤも「強制退場やな」と厳しい措置を取ると明言した。

 アパレルブランドやエステサロンなど、YouTuberが立ち上げる事業は様々だ。最近では、宮迫博之が渋谷で焼肉店「牛宮城」、ラファエルがカレーパン専門店「小麦の禁断症状」を展開するなど、飲食業へ新規参入するYouTuberもちらほらと現れ始めている。紆余曲折在りながらもプロの協力を得てこだわりの焼肉を提供している「牛宮城」と、カレーパン好きのラファエルが名店の味を研究・分析した末に考案した「究極のカレーパン」を販売している「小麦の禁断症状」と異なり、「Bar J&J」は今のところ、「味」で勝負しようとしていない。今回の動画で説明した内容がすべてだとするならば、中町JPとジュキヤの視聴者が集う「たまり場」として運用されることが濃厚のように思われる。つまり、「牛宮城」「小麦の禁断症状」以上に、ファンビジネス的な側面が強い。

 おそらくは未成年のファンも多いであろう中町JPとジュキヤ。お酒を提供する以上、店を安定経営させつつ、リスクヘッジも徹底するという2人の経営者としての手腕が問われそうだ。いずれにしても、「Bar J&J」が一定の成功を収めれば、ファンのたまり場としての飲食店ビジネスに着手するYouTuberも今度増えていくかもしれない。

ジュキヤ&中町JPが共同でバー経営へ アルバイト選考を動画コンテンツに

YouTuberのジュキヤが4月11日にYouTubeチャンネルを更新。中町JPとともにバーをオープンすることを発表した。 …

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