DeNAに入団した元メジャーリーガー・バウアーのYouTubeがすごい 助っ人外国人選手のコンテンツとしての“異質さ”に注目

ゆっくり実況を見ているような感覚

 メジャーリーグの超大物の動画だから再生されているわけではない。内容に惹かれる人が多く、その魅力となっているのが日本語を読み上げ音声である。動画内では正確に翻訳させていない文章が読み上げられ、1本目の動画内では「私の目標は常に世界一の投手になることでした。というのが私の目標です」など、意味は伝わるものの「ん?」と思わせる表現が目立つ。そして、その翻訳の不安定さは2本目の動画で早くも爆発。再生直後、バウアー投手の「エリック、テンテンテンテンテンテンバントの仕方を教えてくれませんか?」というセリフから始まる。『スプラトゥーン』シリーズの動画をアップしているYouTuber・コブレッティの動画のような始まり方に一気に面食らう。

プロの投手は、この野球の基本的な技術が下手くそだ

 その後も「how toバントなるほど、バントのやり方が分からない」「マシンの中に私がいるのか」といったものから、「クソサイヤング勢やんけ」「お前のがよっぽど酷いわボケ」という煽りワードなど、日本人には聞き慣れない日本語が飛び出す。また、音声に音声が重なって編集されており、意味不明なワードが次々と頭の中に突き刺さって頭の中がパニックになる。さらには、音声読み上げソフトは一定のリズムで淡々と読み上げるだけではなく、ねっとり読み上げる箇所も少なくない。さながら“ゆっくり実況”を聞いているような感覚になるため、違和感はあるものの抵抗感なく最後まで楽しめた。

 どのような意図で動画編集をしているのかは不明である。ただ、“ゆっくり実況”という日本のYouTube界における一大ジャンルを知ったうえで編集しているのであれば、「相当優秀なブレーンがついているのでは?」と邪推してしまう。

ファンクラブでも“バウアー効果”に期待

 最後にグラウンドともYouTubeとも違うフィールドでのバウアー投手の影響について。ベイスターズは3月24日、バウアー投手の個人ファンクラブ「TREVOR BAUER OFFICIAL FANCLUB」設立を発表。個人ファンクラブは球団史上初となる試みであり、VIP会員は220万円(税込)、DELUXE会員は33万円(税込)と超破格。ベイスターズと言えば2013年に、試合前の選手と触れ合ったり試合終了後には当時監督だった中畑清と食事をしたりなど、様々な特典が付いた“100万円チケット”を発売して大きな注目を集めた。

 ただ、ここ数年は大胆なプラン、チケットはあまり見られなかったが、バウアー投手の加入により、ますます前衛的な企画が実施されていくかもしれない。大物選手の加入でチームのモチベーションが上がるケースは珍しくないが、バウアー投手加入の運営への刺激にもなっている。“バウアー効果”がどのような影響をもたらせるのか、球団の動きにも注目したい。

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