コロナ禍で高校生活を終える生徒に“感動のサプライズ” 卒業式に思い出詰め込んだ「ガシャポンマシン」が出現
毎年、春の訪れとともにやってくる「卒業シーズン」。
学校生活で過ごした思い出の日々を振り返り、新たな門出を祝う卒業式が多くの学校で催される季節でもある。
そんななか、東京都品川区の青稜高等学校(以下、青稜高校)では、卒業生へのサプライズイベントを玩具メーカー大手のバンダイと企画。
「#卒業おめガシャポン」と題し、青稜高校にゆかりのあるオリジナルアクリルチャームを制作し、校舎内に100個のガシャポンマシンを設置するという斬新な試みが行われた。
2022年度の卒業生にとっては、今回の卒業式が一日を通して“マスク着用義務”のない唯一の学校行事になっているという。
こうした背景から、「コロナ禍で思うように学校生活が送れなかった学生たちに対し、高校生活の節目に思い出の残るプレゼントをしたい」という、バンダイと青稜高等学校の教員との思いが結びついて実現に至ったそうだ。
2023年3月10日に行われた卒業式のサプライズイベントの様子や、本企画の狙いについて取材した。
「卒業式にガシャポンをプレゼント」という斬新なサプライズ
卒業式当日は青々とした空が澄み渡る快晴。
まさに門出にふさわしい天候に恵まれた。
筆者が会場へ向かう途中では、卒業生が校門の前で卒業証書を片手に記念写真を撮る姿が見られた。
こうしたなか、校舎内では着々と「#卒業おめガシャポン」の準備が行われていた。
校舎内にはガシャポンマシンが配され、さらには記念のフォトスポットも設置。
会場には保護者のほかに青稜高校の公式キャラクター「ふたばさん」も登場し、今か今かと卒業生を一心に待つ光景が印象的だった。
「卒業式にガシャポンをプレゼント」という斬新なサプライズ企画は、果たして卒業生の目にどのように映るのだろうか。
校舎や制服のほか、近隣のパン屋もチャームのデザインに
今回の企画のためだけに制作されたオリジナルデザインのアクリルチャームは全部で20種類。
3年間通い詰めた学校の校舎、いつも着ていた制服、持ち歩いていた生徒手帳……。
卒業生にとっては、どのチャームのデザインも思い出深いものになっているのが特徴的だ。
加えて、学校の近くにあるパン屋や「ふたばさん」など、オリジナリティあふれるデザインも。
ここまでデザインにこだわったチャームであれば、一生記憶に残る卒業式になるのではないだろうか。
そして、“お膳立て”がされた会場に卒業生が入ってくるやいなや、物珍しそうにガシャポンマシンの前へと向かっていく。
卒業生には内緒で用意された粋なサプライズに、驚きを隠せない様子を浮かべたり、思わず笑みがこぼれたりする生徒が目立った。
「先生がホームルームの時間中に、サプライズを匂わせるようなことを言っていたが、まさか本当だとは思わなかった。青稜高校はこのような変わったことをよく企画する学校で、生徒の立場としても素直に嬉しかったし、一生に一度しかない卒業式の良い思い出になった」(女子生徒)
「普段、ガシャポンは駅構内やショッピングモールで見かけてはいるものの、なかなかガシャポンを回す機会がなかった。でも今回、学校側の図らいでガシャポンに触れることができ、さらに無料でチャームをもらえるのはとても嬉しかった」(男子生徒)