江頭2:50、3月11日に合わせて福島を訪問 YouTube活動に表れる矜持と人徳

 お笑い芸人の江頭2:50が、3月11日に合わせて福島に訪れる動画を自身のYouTubeチャンネル「エガちゃんねる」に公開し、話題を呼んでいる。

 2011年3月11日の東日本大震災発生直後、江頭がお忍びで被災地の福島県へ救援物資を積んだトラックで駆け付けたことは、マスコミの報道やTwitterへの投稿などで広く知れ渡り、当時大きな反響を呼んだ。20年11月6日に公開した「震災でお世話になったコストコで爆買い」と題した動画で本人が語ったところによると、江頭は救援物資を運搬するはずのトラックが福島に物資を届ける前に引き返してしまうというニュースを目にし、「ふざけんじゃねぇ! そんなのトラック野郎じゃねぇ!」と怒り、「俺しかいない!」と発奮。知り合いから2tトラックを借り、消費者金融で借りた20万円で購入したペーパータオル・水・ナプキン・おむつといった救援物資を詰め込んで、自らの運転で被災地へ乗り込んだという。また江頭は、極秘で実施していた支援活動がTwitterへの投稿によって拡散されたとし、「営業妨害だよ!」と訴えていた。

 そんな縁浅からぬ土地・福島に、江頭が再訪した。

江頭、福島に行く。

 2011年3月11日に公開した「江頭、福島に行く。」と題した動画で江頭は、チャンネルの運営スタッフである「ブリーフ団」とともに、福島県いわき市へとやってきた。3月11日投稿の福島関連の動画とあれば、あの日のことを意識していないわけがない。しかし、江頭は震災の話を一切口にすることなく、旅番組のノリで、地元の市場や繁華街を訪れてご当地グルメに舌鼓を打ち、温泉宿の露天風呂に浸かるなどして、福島ロケを満喫していた。しんみりと当時を振り返るよりも、現地の魅力をPRするほうが復興支援につながるとの意図があるのかもしれない。

 とはいえ、この男がした12年前の善行を福島の人が忘れるはずもない。行く先々で「震災の時はありがとう」「震災の時は本当にお世話になりました」と声をかけられるのだが、江頭はその度に「いやいや、とんでもないです。何もしてないですよ」と照れくさそうなそぶりを見せたり、「じゃあ、写真でも撮りますか」と話を逸らしたりする。おそらくは、本人のもともとのシャイな気質もあるのだろうが、この件でヒーロー扱いされるのは、「営業妨害だよ!」と言っていたように、本意ではないのだろう。

 しかし、そんな本人の思いとは裏腹に、そういった飾らない実直な人柄が多くの人から愛され、彼を人気YouTuberたらしめているのもまた事実。今回の動画のコメント欄にも「『震災の時ありがとう』 エ『何もしてないっすよ』 かっこよすぎです。」「震災時から支援されていて、12年経過した今も被災地や被災された方々への愛を感じて涙が止まりません」「多くは語らないけど、本当の優しさってこういう事なんだなぁ…」「エガちゃんに皆「震災の時はありがとう」て口々に話すところがやはりエガちゃんの人徳よな…」など、称賛の声が相次いでいる。

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