Spotifyがインターフェースの大幅刷新を発表 2年ぶりの『Stream On』で新情報続々

Spotifyのインターフェースが大幅刷新

 Spotifyは、3月8日に、2年ぶり2度目となるグローバルイベント『Stream On』を米国ロサンゼルスのアートディストリクトで開催し、アーティストやクリエイターのオーディエンス拡大や、キャリア形成を支援する新たな機能やツール、デザインを一新した新しいインターフェースを発表した。発表当日より、世界5億人以上のユーザーに対して新しくなったプラットフォーム体験を順次提供していく。

 イベントには、世界中から招待された大勢のアーティスト、ソングライター、ビデオおよびコンテンツクリエイター、ポッドキャスターが参加し、創業者兼CEOのダニエル・エクをはじめとするSpotifyのリーダーたちや、Alex Cooper、Bill Simmons、エド・シーラン、ホールジー、ジェニファー・ロペス、Joe Rogan、ジョナス・ブラザースといった業界を牽引するアーティストやクリエイターによるセッションに参加した。

 ダニエル・エクは基調講演で次のように述べる。

「『Stream On』は、Spotifyがキャリアのあらゆる段階にあるクリエイターのビジネスに対して開かれていることをお伝えする場です。私たちは、クリエイターがキャリアを築き、成功を収め、成長することができ、また世界中の人々が彼らのクリエイティビティから刺激を受けることができる最良の場を創ることに注力しています。これこそが私たちが17年間にわたって取り組んできたことであり、よりクリエイターのニーズに応えられるようにプラットフォームを構築・改善・再構築し、成功への新たな道筋を作れるようにサポートし続けてきました。

 そして今後、この目標を新しいフォーマット上でより多くのクリエイターに対し実現できるであろうことを嬉しく思います。最良のリソースやサポート、双方向性を提供することで、これまで以上に優れたクリエイティビティ、発見、パーソナライゼーションを実現できるものと思います」

クリエイターやアーティストの発見を促進するための大幅なインターフェース刷新

 『Stream On』のなかで、クリエイターとリスナーのつながりをより深く、長期的なものにするために、Spotifyは新たなビジュアルや、インタラクティブなデザインを活用して再構築されたインターフェースを発表した。新たなバージョンは、世界の5億人以上のユーザーに向けて発表当日より展開される。

 新しいインターフェースの特徴は以下の通り

・ボタンをタップするだけで、既存のプレイリストを完璧に補完するような新しい音楽を取り入れることができるスマートシャッフル機能。

・音楽、ポッドキャスト番組、オーディオブックのサブフィードをタップするだけで、ユーザーにパーソナライズされたプレイリスト、アルバム、ポッドキャストエピソード、オーディオブックのプレビューをビジュアルとオーディオで利用できるようになる。

・検索内の新しいDiscovery Feedでは、ユーザーは上下にスクロールすることで、お気に入りのジャンルの音楽の短いループ動画(Canvas)を確認することができ、新たなお気に入りの曲をこれまで以上に発見しやすくなる。
(Discover WeeklyやRelease Radar、New Music Friday、RapCaviarなど、お気に入りのプレイリストの楽曲をプレビューすることも可能。)

・音楽と同様に、ポッドキャストにも自動再生機能を導入。再生中のポッドキャストが終了すると、ユーザーの好みに合った関連性の高い別のエピソードが自動的に再生される。

・リスナーのお気に入りの音楽を再生・発見する革新的な方法として、パーソナライズされた新しいAIガイドとなるDJを発表。

新しく強化されたツールで、クリエイターのリスナー基盤確立をサポート

 Spotifyは、アーティストが自分たちの音楽を愛してくれるファンを見つけるためのツールとして以下の新しい機能も紹介した。いずれもSpotifyで音楽を配信するアーティストやその関係者が利用することができるダッシュボード「Spotify for Artists」のキャンペーンセクションに追加される。

「Marquee」
 アーティストの音楽に興味を示しているリスナーに対して、フルスクリーンで新譜をレコメンドするスポンサード広告。Spotifyによれば、人気ソーシャルメディアプラットフォームの広告よりも、リスナーにSpotifyで音楽を聴いてもらう為の効果が平均して10倍高くなるとのこと。

「Discovery Mode」
 アーティスト、あるいはそのチームが優先的に聴いてもらいたい曲を特定するためのツールで、Spotifyはそれをパーソナライズされたリスニングセッションを形成するアルゴリズムに追加する。「Discovery Mode」はSpotify for Artists内で利用可能であり、独立系アーティストやレーベルを含む、より広範なアーティストとそのチームがアクセスできるようになっている。

「Showcase」
 Spotifyの新しいホームフィードにあるモバイルカードで、新譜からカタログまでアーティストの楽曲をリスナーに紹介する。現在は一部のアーティストやレーベル向けにShowcaseのテストを開始したところだが、近い将来、より多くのクリエイターが利用可能になるとのこと。

 また、アーティストの成長を支援する次の収益源として、グッズとライブイベントに関連する機能の発表もおこなわれた。これはライブ好きな音楽ファンがコンサートの機会を見逃さないように手助けするもので、リスナーは、アプリ内の様々な場所で、グッズやコンサートのリストを確認できるようになる。ファンが興味を持った公演は、「interested」ボタンをタップして、ライブイベントフィードで自分のカレンダーに保存することができる。ユーザーは、世界中のコンサート情報にアクセス可能で、自分の好みに合わせてカスタマイズすることも可能だ。

 そのほか、Spotifyは、Fans Firstをより多くのアーティストが利用できるように拡大し、トップリスナーがコンサートチケットの先行販売やグッズの限定販売などの機会に特別にアクセスできるメールや通知を受け取ることができるようにするとのことだ。

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