イトーキがゲーミングブランド「Daidara」発足 発表会で製品第一弾『Act Gaming』がお披露目
3月3日、東京・RED° TOKYO TOWERにて株式会社イトーキの新ブランド発表会がおこなわれた。同社は日本に初めてホッチキスやゼムクリップを持ち込んだ歴史の長い会社で、1962年に日本初のスチール製学習机を開発したほか、現在ではオフィス向けのハイグレードチェアなど、数々の家具や事務用品を手がけている。
そんな同社が、プロゲーマーやプロを目指す人などに代表される、より本格的な環境を求める“エクストリームプレイヤー”をターゲットとした新ブランド「Daidara」の設立を発表。第一弾製品として、オフィス向けチェアである『Act』をベースとし、ゲーミングチェアとして特化させたモデル『Act Gaming』がお披露目された。
『Act Gaming』は、『Act』の特徴であるサイドフレームを廃した背もたれのデザインや、広い可動域と肩の動きに合わせて動く構造で幅広い姿勢に対応する「4Dアーム」などの機能を継承しつつ、家庭での使用を想定し、座面の高さを15mmほど下げるという調整がなされている。
発表会では、イトーキの代表取締役・湊 宏司氏が同社の歴史を振り返りつつ「Daidara」発足についての背景が語られた。記事冒頭でも述べたとおり、同社はオフィスワーク向けの家具や学習机などを手がける会社であり、その理念として「家ではたらく・家でまなぶ・家であそぶ」という三本柱を掲げているとのこと。
三本柱のうちの「家であそぶ」に該当するのが、今回発表された「Daidara」だ。また、湊氏いわく名前の由来は日本で伝承される「ダイダラボッチ」から取られているとのこと。ダイダラボッチにまつわる伝承のひとつには「富士山を作るため近江の土を掘り、その掘った跡地が琵琶湖となった」というものがあり、イトーキが滋賀県・近江八幡に縁をもつこともあって、命名に至ったそうだ。
続いて株式会社ヤマダホールディングスのSPA商品事業部事業部長・狛 裕樹氏も登壇し、昨年の『東京ゲームショウ 2022』で展示されていた『Act Gaming』の試作品に触れ、惚れ込んだエピソードについて語った。今後、『ヤマダデンキLIFE SELECT』の各店舗では、チェアの展示もおこなうとのこと。
最後に登壇したのは、プロゲーミングチーム「VARREL」の『スプラトゥーン』プロ選手・らきょるん選手と、プロゲーミングチーム「TEQWING」の『大乱闘スマッシュブラザーズ』プロ選手・よっシィ選手だ。実際のターゲット層でもあり、プロとして活動するふたりから製品に関するインプレッションが述べられた。
それぞれ気に入ったポイントとして挙げたのが、やはり『Act Gaming』の特徴でもある「4Dアーム」と「背もたれ」だ。
らきょるん選手は普段、ゲームをプレイする際に前傾姿勢でプレイしているそうだが、今回『Act Gaming』を実際に使ってみたところ、アームの角度を調整することで背もたれにもたれかかった状態でも安定したプレイが可能なことに気付いたそうだ。
よっシィ選手は普段から背もたれに背をつけてプレイしているとのことで、『Act Gaming』の背もたれの柔らかさに驚いたとのこと。らきょるん選手も「背もたれがぐにゃぐにゃ動くんです!」と同様に話していた。
また、座面下に配置されたレバーを操作することで、座面の奥行きを調節することも可能。座面を短くすると、自然と腰の部分が背もたれに密着するため、長時間座っていることで発生する腰痛になりづらいという利点がある。逆に、座面を長くすることでゆったりと座ることももちろん可能だ。
日常的に長時間ゲームをプレイすることとなるプロ選手やコアゲーマーにとって、その大半の時間を過ごすこととなる椅子は重要なアイテムのひとつ。今後「Daidara」ブランドから登場する新製品は、プロ選手からのフィードバックも製品開発に活かしていくとのことなので、引き続き要注目だ。
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