人気YouTuberたちの「炎上回避法」とは? 毎日投稿を行ってきた2人の発言から考える

 2月1週目、フィッシャーズ・シルクロードと水溜りボンド・カンタのコラボ動画がYouTubeで投稿された。昨今ネットニュースなどで頻繁にYouTuberたちの炎上が取り上げられているなか、毎日動画を投稿するというスパルタ活動の原点を作ったふたりが、過去の炎上に言及。今回はふたりの発言から、YouTuberたちが炎上を回避する方法を考察してみたい。

水溜りボンドカンタと飲んで炎上・あの時のこと全部話します。〜酔いどれYouTuberのほんね〜

 シルクロード率いるフィッシャーズがチャンネルを開設したのは、2012年8月のこと。今回の対談相手であるカンタが相方のトミーとともに水溜りボンドのチャンネルを立ち上げたのは2015年の元旦だった。フィッシャーズと水溜りボンドは活動を始めた時期こそ約2年4か月の差があるものの、ふたりは歳が同じで、約1月違いでチャンネル登録者100万人を達成するなど、いわゆる同志の間柄。最近では人気になるために毎日動画を投稿するYouTuberが多いのだが、何を隠そうこの「毎日投稿」の原点を作ったのは、シルクロードとカンタだ。

 そもそもなぜフィッシャーズと水溜りボンドは毎日動画を投稿し始めたのか。カンタいわく、当時は毎日投稿をすることで「頑張ればがんばるだけ結果がついてきていた」時代であり、現在とは異なり動画の投稿から1時間で再生回数が13万回を突破することは「ふつう」、時には20万回再生という動画もあったという。チャンネル登録者数も1日で1万人増加するなどノリに乗っていた2組は、「(動画を)出せばだすほど(登録者数が)伸びる」と思っていたため毎日投稿が生まれ、継続していたと説明している。

 そのようななか、水溜りボンドが毎日投稿をやめたのは2年前のこと。カンタによると毎日投稿をできることが水溜りボンドの強みであり、「(毎日投稿を)続ける方がラク」だったこともあり、それまで6年間も毎日欠かさず動画を投稿していたという。しかしその間に2組は、時代とともに長尺動画が好まれるようになるなどYouTubeの変化にも直面。時には「けっこう無理してんな」と思うこともあったようだが、脅迫観念にかられ動画を投稿することもあったとシルクロードに打ち明けている。結局カンタは1年間ほど悩んだ末、年齢や面白いコンテンツを作っていくことを考慮し、毎日投稿という武器を置くという決断にいたり、毎日投稿をやめたと明かしている。

 一方のフィッシャーズはなぜ毎日投稿をやめたのか。その理由についてシルクロードは、「完全に運動です」と発言している。フィッシャーズのチャンネルではスポーツ系の動画が人気で、夏にはアスレチックを1日に3つハシゴするなど、撮影で相当な体力を消耗しているという。年齢を重ねるごとに体力的な部分で影響が出てきたようで、シルクロードが「筋肉痛マジキツイんだよね!!」と動画制作の裏側を暴露するシーンも。そのような疲れた状態で焦って編集した動画は「100%炎上」したといい、「こんなリスク背負うんだったら休んだ方がいい」というシルクロードの判断から、フィッシャーズは3年ほど前に毎日投稿をやめたとそうだ。

 ふたりが始めた毎日投稿は、いつしかYouTubeで人気を獲得するための手段として新世代たちにも認知されはじめ、今でも多くのYouTuberたちが日々チャンネルを更新するために日夜しのぎを削っている。そのような状況のなかで、YouTubeの活動を始めたばかりの動画クリエイターや新世代たちが、自分達だけ毎日投稿をやめるという決断を下すことは勇気がいるかもしれない。しかし1度の炎上で人気の命取りとなる可能性がある業界だからこそ、余裕をもったスケジュールでコンテンツを作ることが、炎上を回避する得策なのではないだろうか。

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