古参YouTuber・相馬トランジスタに人気復活の兆し 業界を代表するMC力に注目集まる
1月に入り、「相馬トランジスタ」チャンネルが3週連続でYouTubeの急上昇に登場。最近は新世代の活躍の裏で地道に活動していたYouTuber歴10年の相馬トランジスタが、なぜ再注目されているのか。昨年、長年活動を共にしてきたメンバーの脱退など大きな転機があったなか、復活の兆しを見せている相馬の強みを紐解いてみたい。
相馬トランジスタは、2013年に「ラフハウス劇場」チャンネルを開設。その中で度々コラボしていたYouTuberへきほーに相馬が声をかけ、ラフハウス劇場にへきほーが加入すると、チャンネル名を「へきトラハウス」に改名し、コンビで活動してきた。その後、当時のメンバーでチャンネルのブレーン的存在であったカワグチジンの加入・脱退を経て、「へきちゃん☆トラちゃん」に再度改名。2021年5月にカルビの加入に合わせて「へきトラ劇場」に改名するも、昨年5月にへきほーが脱退を発表した。以降はチャンネル名を個人の活動名である「相馬トランジスタ」に改名し、個人ではヒカル率いるNext Stageのメンバーとしても精力的に活動を行なっている。
今回急上昇に登場したのは、大人気YouTuberの平成フラミンゴとのコラボ動画。相馬トランジスタチャンネルの名物企画である「泥酔鍋」に平成フラミンゴのNICOとRIHOが登場し、ふたりがYouTubeを始めたきっかけや恋愛、将来の夢などを和気あいあいと語っている。もともと「人見知り」だというNICOとRIHOは、最初こそよそよそしさがあったが、相馬の相手の話を引き出すトーク力が冴え渡り、普段はなかなか見られない平成フラミンゴの人見知りの姿や、真面目な話に新鮮さを覚えた視聴者が続出。見事急上昇1位を獲得し、双方のファンが喜びを共有した。
相馬と平成フラミンゴのコラボは、本来2021年10月に決定していたもの。しかし、そのタイミングでRIHOが休養に入り、コラボが延期となっていた。そのようななか、相馬は昨年12月に平成フラミンゴに宛てた1本の動画を投稿。新世代YouTuberとのコラボやイベント出演などで大忙しの平成フラミンゴに、「そろそろ、泥酔鍋出てもらえませんか?」とメッセージを送った。今回のコラボは、そんな相馬の熱烈アピールが実って実現したものだった。RIHOの言葉を借りると、平成フラミンゴ側はコラボの約束を「忘却」していたようだが、相馬の動画を見てすぐに、ふたりと相馬の間でビデオ通話がされたというエピソードが今回の動画で披露されている。
実は相馬トランジスタチャンネルは1月5日に投稿したカリスマYouTuberカルマとのコラボ動画を皮切りに、今年に入ってから3週連続で急上昇入りしている。「ここ日本言うてな」というフレーズでその名を轟かせたカルマをゲストに迎えての泥酔鍋企画では、カルマの戦略や活動秘話が語られ、大きな反響が寄せられた。その次の週には、経営者としての一面を持っていたカルビが社長を退いていたことを明かした1日密着動画が注目を集めていた。
相馬はYouTuber歴10年という、いわゆる古参組だ。ここ最近は新世代の台頭もあり、チャンネル登録者数や再生数が伸び悩んでいたが、その間もへきトラ劇場で動画を投稿し続け、NextStageでは圧倒的な存在感で一定の支持を集めてきた。相馬は以前に投稿した動画で、へきトラハウス時代にチャンネル登録者数100万人を突破していたこともある相馬のチャンネルが伸び悩んでいることに対し、視聴者からYouTubeを辞めることを勧めるコメントもあったことを明かしている。それでもYouTubeを辞めない理由について相馬は、10年前、大学のサークル室で現在の相方であるカルビと始めたこのチャンネルで、登録者数100万人を突破するという目標があると発言。まだまだYouTuberとして活動することを諦めていないのだ。
相馬の強みは、なによりも安定した会話力と場を回す力にある。さまざまなYouTuberたちとコラボしてきた経験なのか、特にコラボ相手の魅力を引き出す力は、ほかのYouTuberを圧倒するものがある。メンバーの脱退や改名の回数など、この10年の動きは古参組の中でも激しいが、その間に培ってきた人脈は新世代までにも広がり、かなり幅広い。現在の数値は68.1万人と100万人には少し遠い状態だが、最近は相馬の最大の強みである会話力や人脈が遺憾なく発揮されており、人気復活の時はすぐそこまできているようだ(数値は1月29日時点)。