青春のゲームハードはスーパーカセットビジョンか、ファミコンか? MCU × ゲーム芸人フジタ対談
──クリスマスプレゼントでもらったり、お年玉で買ったゲームの思い出はありますか?
MCU:小学生の頃のクリスマスプレゼントだと、やっぱり『スーパーカセットビジョン』ですね。誕生日とクリスマスは、スパカセのカセットって決めていたので。
フジタ:スーパーカセットビジョンって、売っているところはすごく限られていましたよね。
MCU:いやいやいや、普通にビックカメラとかで売っていましたよ。余裕で売っていましたよ。
フジタ:吉祥寺じゃたぶん、一軒も置いているところなかったですよ。渋谷とかだったらあったかもしれないですけど。そもそも、スパカセ本体はどこで買ったんですか?
MCU:池袋のビックカメラです。
フジタ:僕は新宿のヨドバシカメラとかサクラヤに行っていたんですけど、小学生の頃にはなかったイメージですね。
MCU:巣鴨に住んでいたんですけど、電気量販店みたいなところがなくて一番近いのがビックカメラだったので、電車に乗って二駅隣の池袋まで行ったんですよ。あと上野にうちのおふくろとおふくろの友だちと一緒に出かけていて、その方に『大魔司教ガリウス』を買ってもらったのをハッキリと覚えていますね。
フジタ:それは、ファミコンですか。
MCU:ファミコンです。
フジタ:ファミコンを買ったのはいつごろなんですか?
MCU:中学生ですね。
フジタ:スパカセのみの時代は、何年ぐらいあったんですか。
MCU:小学生のうちはずっとです。中学生になってようやくファミコンを買えたんです。ちなみに最初に買ったファミコンのゲームは『シティアドベンチャー タッチ ミステリー・オブトライアングル』です。
フジタ:じゃあスパカセ育ちですかね。
MCU:僕はスパカセ育ちですから。で、友だちの家に行ってファミコンをやるというね。
フジタ:友だちにスーパーカセットビジョンを持っている人は少なかったでしょうね。
MCU:すごい少ないですよ。学年だったらひとりだし、全校でふたりだけですよ。
フジタ:雄志さんを入れてふたり(笑)。
MCU:そう。後輩だった青木くんとふたりだけ(編注:青木くんについてはこちらの記事を参照)。
フジタ:うちの学校は、スーパーカセットビジョンを持っているのは全校でひとりもいなかったですよ。
MCU:それが普通だと思いますよ。学年にひとりぐらいいる感じで成り立っていたゲーム機ですからね。
フジタ:セガのSG-1000も少なかったですよね。
MCU:ほとんどの人がファミコンのユーザーでしたからね。
フジタ:逆にスーパーカセットビジョンの人が一番少なかったイメージがあるんですけど。
MCU:そんな感じがします。まぁ、しょうがないですよね(笑)。でも、いまでもスパカセが最高だと思っていますけどね。
フジタ:スーパーカセットビジョンの中で、なにが一番面白いんですか?
MCU:一番面白いのは、最初に買ったっていうのもあるし、『ルパン三世』かなー。あと『ワイワイモンスターランド』が出たときはちょっとぶち上がりましたね。あんだけスクロールして、面があって……。
フジタ:ピンとこないですね(笑)。
MCU:それが、俺的には『スーパーマリオブラザーズ』みたいな感じだったのかな。
フジタ:スパカセはクリスマスに、ソフトは出ていたんですか。
MCU:全然覚えていないですけど、クリスマスにはそれまでにほしかったものを買ってもらっていましたね。当時は誕生日とかクリスマスに、その年の夏に出たものとか、ほしかったものをやっと買ってもらったようなイメージです。
フジタ:買える回数が少ないから、やっぱりやりたいものを買いたいというのがありましたね。ジャケ買いとか危険ですもんね。
MCU:当時ジャケ買いなんかしていたら死んじゃいますね。
フジタ:スーパーファミコンのあたりからワゴンとかで1980円とかで売っていたから、それならジャケ買いでもいいですよね。けど、1本5000円とか1万円近い価格ですもんね。
MCU:そうなんですよ。あ、お年玉ではおもちゃとかプラモを買っていたイメージがあるな。イマイの『ロボタッチ』にハマっていました。まあスーパーカセットビジョンっていっぱい言っていますけど、ファミコンが発売されたのが僕の小学校3、4年生の頃なので、ど世代なんですよ。
フジタ:ちょうどいい時代ですよね。
MCU:なので、気持ちわかりますかね。同世代のときにスーパーカセットビジョンしかできなかったっていうね。
フジタ:だけどそれがなかったら、いまの雄志さんはなかったかもしれませんよね。スパカセ育ちですもんね。でも、僕よりも雄志さんのほうがどっぷりファミコン世代ですよね。僕は幼稚園のころなので、ちょっとまだファミコンは理解できないものもあったと思いますね。小学校3年生ぐらいが、ほぼ理解できて一番いい時期ですよね。スパカセのカセットを3回ぐらい買うのをガマンして、早くファミコンを買おうってならなかったんですか?
MCU:やめられないですよ。スパカセを始めて1年ぐらい経って、もうトリコですもん。
フジタ:でも、人の家でファミコンやってくると、なんとなくファミコンを買いたい思いはあったんじゃないですか?
MCU:そこはあまのじゃくだったんでしょうね。『スーパーマリオブラザーズ』が出た年に、スーパーカセットビジョンは『トントンボール』でした。『トントンボール』、つまんないんだよね。あれめちゃくちゃつまんないよ。
フジタ:やっぱりやせ我慢的なものはあったんですね(笑)。スーパーカセットビジョンのゲームは全部遊んでいるんですか?
MCU:もちろん、だって全部やるしかないでしょ。それこそ『将棋入門』もやるし、『スーパー麻雀』もやるしかない。やらないゲームはない。
フジタ:スパカセのゲームって、何本出ているんですか?
MCU:30本。最後の最後にナムコが参戦してきて終わっちゃったんですよね。
フジタ:スパカセの最後のタイトルは、何だったんですか?
MCU:『ポールポジションII』です。すごくないですか。『ポールポジションII』はスパカセでしか発売していないんですから。
フジタ:うん、それはすごいかも。
MCU:ナムコの『マッピー』も『スカイキッド』も、意外とデキが良かったですよ。
フジタ:ファミコンとスパカセを比べたらどうですか。
MCU:攻め方が違いましたね(笑)。さらにコントローラーのクセがすごいんですよね(笑)。スーパーカセットビジョンがいまだに好きって言うのは、ゲーム性ももちろんあるんですが、思いも含めてなんですよね。
フジタ:そういうのを経てですね(笑)。
MCU:レトロゲーム好きな人って、そういう思いをはせて、すごい好きっていうことが結構多いじゃないですか。
フジタ:うんうん、そういうのも込みでね。そしたら、コレクションとしてスーパーカセットビジョンのゲームを全部集めるところからいくんじゃないですか。なんでそうならなかったんですか?
MCU:たぶんやりたいゲームを先に買っていて、ファミコンでやっていないゲームがたくさんあったからですかね。
あと近年はスパカセがすごい値上がりしているし、モノも少なくなってるんで、なかなか難しいのもありますね。
フジタ:近年はスパカセが全部高いですもんね。本体から高いですから。
MCU:これからもっと高くなるんじゃない。ファミコンとかに比べれば、まだいいほうだとは思うんです。あと、いまはスーパーカセットビジョンをテレビにつなぐのもなかなか大変なので。RF出力も付いてましたけど、なんでプラスRGB出力なんだよーとかね。