約10年ぶりの「アーマード・コア」シリーズ新作はどうなる? 『アーマード・コア6』のトレーラーから考察する、世界観や設定

 2022年12月9日、アメリカのロサンゼルスにあるマイクロソフト・シアターで『The Game Awards 2022』が開催された。本イベントは2022年に発売された優秀なタイトルを表彰するにとどまらず、今後登場予定のゲームタイトルに関するさまざまな情報も発表された。

 小島秀夫監督の最新作『デス・ストランディング2』(仮題)のお披露目や、「FF」シリーズ最新作『ファイナルファンタジーXVI』の発売日が2023年6月22日に決定するなど、耳寄りな情報が目白押しだったが、そのなかには「アーマード・コア」シリーズの新作もあった。

 なにかにつけて「アーマード・コアの新作がでる」という単語に結びつけるネットミームが存在するほど、長らく音沙汰のなかった同シリーズだが、『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』(以下、AC6)の存在がトレーラーとともについに発表され、ファンを熱狂させた。なお、本作の発売は2023年予定となっている。現状の最新作である『ARMORED CORE VERDICT DAY』が2013年に登場したことを踏まえると、じつに10年ぶりの新作となる。

 本稿では、『The Game Awards 2022』で公開されたトレーラー第1弾を振り返り、世界観やメカ、その機構や設定などを考察していく。記事の内容を十分に理解してもらうためにも、まずはトレーラーを確認してほしい。

ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON アナウンスメントトレーラー【The Game Awards 2022】

惑星ルビコンを舞台にした新しい「アーマード・コア」

 今回公開されたトレーラーは、具体的になにかを提示するというよりは、ゲームの要素をにおわせる程度にとどめた内容だ。まず冒頭から見ていくと、赤紫の炎が地表を焼き尽くし、その規模は惑星規模にまで広がっているのが分かる。

 英語版Steam(※1)で公開されている本作の詳細によれば、「惑星ルビコンで発見された謎の新物質が、ルビコンと周囲の惑星を炎と嵐で包み込む大災害を引き起こした。そこから約半世紀後、このルビコンで再び発見された同じ物質を巡り、地球外企業とレジスタンスが争う」(DeepLの翻訳をもとに要約)とあるので、この赤紫の炎は新物質と深い関係があるのだろう。

 すべてが焼かれ、世界が灰となった光景が映し出されたかと思うと、なにかの部品を拾うロボットが出てくる。ここを見て、筆者は「本作は部品を各地で集めるオープンワールドになるのか」と少し思ったが、ゲームメディアのIGNで公開中のインタビュー(※2)によると、本作は過去作と同じく、ミッションを選んで出撃するタイプのゲームになるようだ。すなわちこの部品を集めるシーンは、焼き尽くされた世界でも必死に生きている人々を表しているのかもしれない。

 つぎにフロム・ソフトウェアのロゴが表示され、直後にアーマード・コア(以下、AC)と思しき4本足(以下、四脚)の機体が登場。敵機の頭上を飛び越えたかと思うと、左腕にある謎の武器を振り抜いて敵を全滅させる。四脚の機体は過去作でも出てきたのであまり驚く点ではないが、左腕のパーツは興味深い。あまり尖っていないし、敵とは間合いも離れている。なにより爆発しているうえ、刃もないので、ブレード系とは違う。おそらく、対象を斬ったのではなく、武器内部に格納していた爆弾をばら撒いたと考えられる。本作の新武器だろうか。

 映像では一瞬だが、右腕の武器も映っている。弾を装填するような機構が銃身の下に見えることから、ショットガンだと思われる。さきほどの謎の武器も合わせて、このACは近接向けの四脚タイプなのだろう。ただ、左肩にはミサイル(?)、右肩には大型のキャノンのような武装も見えるので、各距離に対応したバランス型とも取れる。

 つぎの見どころは、四脚のACが左腕に展開したバリアかなにかで、敵機から発射されたミサイルを防ぐシーン。このバリアは四脚が敵機を飛び越えた際にも出てきた。過去作から引用するなら、『アーマード・コア4』や『アーマード・コア for Answer』(以下、ACfA)に登場した防御機構「プライマルアーマー」を思わせる。とはいえ、ミサイルを防ぐ際は攻撃されている面に集中して展開していることから、このバリアは指向性をもっているのかもしれない。それがこのACに備わった機能なのか、それとも左腕にある謎の新武器によるものなのかは不明だ。

 ミサイルを防いだ四脚のACは新たに補足した敵機に突っ込むが、ここで相手は背中の装置を使い、四脚のACが用いていたバリアに似たものを展開。左腕の近接武器で反撃に出る。四脚のACのバリアは敵の攻撃を防いだのに対し、こちらのバリアは反撃の直前に使われたことから、防御ではなく攻撃手段になっている可能性も。仮にバリアを攻撃に転用しているとすれば、『ACfA』独自のシステムである、プライマルアーマーを攻撃に使う「アサルトアーマー」に近しいものなのだろうか。

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