『クライシスコア ファイナルファンタジーVIIリユニオン』に対する期待と不安

 本作の発売が楽しみな一方、『FF VII』や『FF VIIリメイク』とストーリーの整合性が取れるのかという心配もある。

 そもそも『CC FF VII』は、発売当時から『FF VII』との矛盾点を指摘されていた。たとえばタークスのリーダーであるツォンは、『FF VII』においてはクラウドと一切面識がないように描かれていたが、『CC FF VII』ではクラウドとザックスが知り合いであることを認識していた。それだけでなく、『CC FF VII』ではバスターソードがザックスのものであると知りながら、『FF Ⅶ』で同じ剣を振るうクラウドに何も言及しないなど、違和感のある描写が目立った。

 そのほかにも、ソルジャークラス1stの服の色が『FF Ⅶ』では紫だったのに対し、『CC FF VII』では黒になっているなどの設定改変が多く、ファンの間で賛否が分かれていたのだ。

 とはいえ、『FF VIIリメイク』においてはこのような矛盾を生まないためか、ツォンがクラウドと直接話すシーンが描かれていなかったり、クラウドの制服が黒になっていたりといった改変が行われていた。

『FF VII リメイク』の最後のシーンが意味するものとは

 以上の点を踏まえると、続編が制作されている『FF Ⅶリメイク』のストーリーは、『CC FF VII』が前提になっていると考えられるだろう。しかし、そう考えると『FF VIIリメイク』のエンディングで描かれた”もう一つの可能性”が気がかりになってくる。

 そもそも、『CC FF VII』のラストシーンでザックスは神羅兵に敗北し、死亡してしまう。これが『FF Ⅶ』のオープニングに繋がっていくわけだが、『FF VIIリメイク』のエンディングでは、ザックスが生き残る可能性を示唆するようなシーンが描かれているのだ。したがって、『CC FF VIIリユニオン』でもザックスが生存するルートがあるのではないか、と邪推をしてしまう。

 しかしながら、その可能性については公式から明確に否定されている。本作のディレクターである野村哲也氏が、過去のファミ通.comのインタビューで「ストーリー関連には変更はありません。オリジナル版自体が『FFVII』とも『FFVII リメイク』とも整合性は取れているので問題はありません」と発言したのだ。

 今後がどうなるにせよ、その前日譚となる『CC FF VIIリユニオン』のストーリーは『CC FF Ⅶ』から変化がないとのことだ。残念ながらザックスの死亡は避けられず、『FF VII リメイク』のまるでザックスが生き残りそうな描写も、ミスリードなどである可能性が高いのだろう。

 とはいえ、『FF VIIリメイク』のストーリーに関しては未だ謎が多い。これらに関しては、今回リリースされる『CC FF Ⅶリユニオン』では解決せず、『FF Ⅶリメイク』の次回作となる『FF VII リバース』で明らかになるはずだ。まずは『FF Ⅶ』につながるストーリーをおさらいするためにも、『CC FF VIIリユニオン』をぜひプレイしておきたい。

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