『Meta Quest 2』に代わるVRヘッドセット登場か？　アンダー5万円の『PICO 4』でゲームをプレイしてみた

ストアへのアクセスとゲームプレイ

　次は用意されているVRコンテンツについて見ていこう。『Meta Quest 2』にはOculus Questストアや「App Lab」によるストア外アプリなど、膨大なコンテンツが揃っている。一方で『PICO 4』のVRプラットフォームはそこまで育っておらず、遊べるゲームの数には大きな違いがあるといえる。VRコンテンツの目玉ともいえる『VR Chat』は『Meta Quest 2』ではアプリ版が用意されているが、『PICO 4』で遊ぶ場合はPCに接続してストリーミングする必要がある。

　しかし、ゆくゆくは『VR Chat』をはじめ、メジャーなVRゲームが「PICO 4」向けにも配信される可能性はある。現状でも『オノゴロ物語』、『Eleven Table Tennis』といったメジャーなVRゲームは用意されているため、これからVRヘッドセットを手に入れたいと思っている人に対するエントリーモデルとしては充分満足できるだろう。

　『PICO 4』内でアプリを購入するには、「VRアシスタント」というアプリをスマホに入れておく必要がある。ここで決済情報などを入力しておけば、紐付いている『PICO 4』デバイスでスムーズに買い物ができるという仕組みだ。「VRアシスタント」からも購入は可能。

　筆者の大好きなVRゲーム『Gun Club VR』をプレイしてみた。銃のリロードや装填、セーフティ解除などの動きを、実際に手を動かして楽しめるリアルガンシミュレーター系のゲームだ。

　リロードやスコープを覗く動作を検知するにはセンシングの精度が重要になってくるが、ストレス無く遊ぶことができた。映像美を楽しむゲームではないものの、解像度についても特段粗さを感じることはなかった。

　一方で、ヘッドセットの装着感は賛否両論といったところ。賛の部分は安定感の良さだ。クッションの恩恵か、ヘッドセットをギュっと締め付けてもほとんどズレを感じなかった。否の部分はというと、やはり重量感。20〜30分程度のゲームプレイは快適だが、1時間弱ほど遊んでいると目の周囲に圧迫感を感じてくる。圧迫感があるからストラップを緩める→本体が重いからずり下がってくる、となってしまう。

　たとえば『Meta Quest 2』で1時間ほど遊んだ場合、あちらはヘッドセットがちょくちょくズレてくるものの『PICO 4』ほど疲れる感じはなかった。使用感としてはどちらもメリット・デメリットがある結果となった。

　面白い要素として、『PICO 4』にはVRで見ている画面をPCブラウザに簡単にキャストできる機能がある。キャストの方法はURLを共有するだけなので、その場にいる人にVRゲームの様子を伝えるには便利な方法だ。iOSにはまだ対応していないが、ゆくゆくは対応予定とのこと。

VR初心者が選ぶなら、どっち？

　『Meta Quest 2』と『PICO 4』は、どちらもPC無しで遊べるVRヘッドセットで、その手軽さがウリだ。では、値上がりした『Meta Quest 2』と、最新機種である『PICO 4』と、どっちの方が"買い"なのか。

　筆者的には、色々なVRコンテンツを楽しみたい人には『Meta Quest 2』を推したい。理由はコンテンツの豊富さや、長時間プレイ時の疲れにくさがあるからだ。逆に、VRゲームがどういうものなのかを味わってみたいという人には、手頃で高品質な『PICO 4』を勧める。ヘッドセットの装着感が良いため、安定した態勢でVRの世界に飛び込めるだろう。

　とはいえ、どちらも大差をつけての甲乙ではない。解像度や視野角、リフレッシュレートといったスペック的な違いがそこまで体験に影響がしなかったため、結局はヘッドセットの使いやすさで選ぶ＝個人差という所感になってしまう。

　ちなみに、『PICO 4』の目玉機能のひとつであるカラーパススルー（フルカラーでゴーグル外の映像を表示する機能）だが、VRゲームの途中で周辺の物を取ったりするには便利だが、スマホの文字を確認できるほどの精細さはなかった（ギリギリ読めなくはない）。ARやMRコンテンツが増えてくればさらに活かせる機能になるはずだが、やはりVRモノはコンテンツの拡大が最優先ということだろう。そのためにもとりあえず感覚でデバイスを持っておいて、体験できる環境を用意してしておくのは重要だといえる。

（Source）
https://www.picoxr.com/jp/products/pico4/