『ポケモン ルビー・サファイア』は現代ポケモンの“基準”だった? 20周年を機に振り返る

『ポケモン ルビー・サファイア』20周年

 『ポケットモンスター ルビー・サファイア』は、2022年11月21日に発売20周年を迎える。本作では後のシリーズのスタンダードとなったシステムがいくつか追加されたため、印象に残っているプレイヤーも多いだろう。今回は本作の20周年を記念し、その魅力やシステムを紹介する。

プラットフォームをGBAに移行して実現した、多彩なデザインのポケモンたち

 『ポケットモンスター ルビー』『ポケットモンスター サファイア』は、2002年11月21日に発売されたゲームボーイアドバンス(以下、GBA)用のRPGだ。前作にあたる『ポケットモンスター 金・銀』までは任天堂から発売されていたが、本作以降は株式会社ポケモンからの発売となっている。また『ルビー』と『サファイア』では、登場するポケモンやストーリー展開が異なる。

 本作はプラットフォームをゲームボーイカラーからGBAに移行したことで、グラフィックの品質が大幅に向上。ポケモンのグラフィックに使用できる色は、前作までは一体につき4色という制限があったが、今作からは多彩になった。たとえば「ミロカロス」のような鮮やかな色彩のポケモンは、GBAの性能ゆえに実現したといえるだろう。

 また、今作では新たなポケモンが多数登場。とくに序盤は前作までのポケモンが一切登場しないため、従来のファンも新鮮な気持ちでプレイできた。前作とストーリー上のつながりがほとんどないことから、はじめてポケモンを遊ぶプレイヤーにもおすすめだ。

「とくせい」「せいかく」システムにより、ポケモンの個体差が明確に

 本作では、システム面で大きなアップデートが図られている。なかでも後のシリーズのスタンダードとなったのが、「とくせい」と「せいかく」のシステムだ。

 「とくせい」はポケモンの種類ごとに与えられた特殊能力で、たとえばサメハダーは「さめはだ」というとくせいをもち、特定の攻撃を受けると相手にもダメージを与える。本作以降のタイトルではすべてのポケモンが何らかの「とくせい」をもつことになったため、能力値の優劣やタイプ相性以外の要素でも、活躍できるポケモンが増えた。

 「せいかく」は、ポケモンの個体差を表現するステータス。文字通りポケモンの性格を表しており、ステータスの伸び方にも大きな影響を及ぼす。たとえば性格が「さみしがり」であれば、攻撃力は伸びやすいが、防御力は伸びなやむといった具合だ。

 これらのシステムによってポケモンごとの個性が明確になり、育成や戦略の幅が大きく広がっただけでなく、プレイヤーがよりポケモンに愛着をもちやすくなった。その一方で、目当てのステータスのポケモンを獲得するために「厳選」をしていたユーザーにとっては、「システムが複雑化し始めた本作では厳選が困難である」との評価を受けている(この問題点は、後に発売された『ポケットモンスター エメラルド』で改善された)。

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