クリエイターコミュニティの発展をサポートする、Adobeの幅広い取り組み

アドビが支えるクリエイターコミュニティ

 昨今、クリエイティブを巡る状況は慌ただしい。SNSのトレンドはテキストから画像、ショート動画へと移行しており、こうした状況に合わせてクリエイターの制作物も変化している。動画、写真、イラスト、音楽……多様な制作物をミックスすることが当たり前になり、公開する場所もさまざまだ。また、こうした状況がクリエイター同士のコラボレーション事例を生むことも増えてきた。

 異なる領域で制作を行ってきたクリエイター同士の交流は、これまでにない新しい制作物を育む可能性を秘めている。こうしたクリエイティブが我々の前に姿を見せる瞬間というのはいつもワクワクするし、スリリングだ。「好きなイラストレーター同士がコラボレーションイラストを手掛けた」「応援している俳優同士が共演する」といった出来事にファンは胸を躍らせる。そして、こうしたコラボレーションというのは得てして「楽しい」ものだ。

 前述したようなプロフェッショナルの世界で起きるコラボレーションのみならず、たとえば「旅行の写真をスライドショーにしたら、友人がサムネイルを描いてくれた」「結婚式の動画を撮影してもらった」などといった「日常の中のクリエイティブ」においても、コラボレーションには大きな魅力と楽しさがある。そして、クリエイターの活動をサポートするAdobeの製品にも、コラボレーションに役立つ機能が揃っているのだ。ここではクリエイターのコミュニケーションを活発にするAdobeの取り組みについていくつか紹介したい。

 たとえば最新のアップデートでPhotoshopやIllustratorに追加された「共同編集」の機能は、ファイルをクラウドへアップロードする際に他人にファイルの閲覧・編集権限を付与する機能だ。権限を付与されたユーザはファイルを直接編集することもできるし、[レビュー用に共有]の機能を使えば、特定の部分をマークアップして修正指示を行うような作業がとても簡単になる、これは複数の人間がひとつのクリエイションを完成させるうえで非常に強力なツールだ。制作物が求めるクオリティに至るためのツールとしてはもちろん、人々のコミュニケーションを活発にするという点でも意義のあるアップデートだと感じる。

 また、Adobeが運営するSNSサービス「Behance」を活用すれば世界中のクリエイターが作った作品を閲覧できる。さまざまな作品からインスピレーションを得るうえで、気に入ったクリエイターが居たらフォローしたり、コメントを投稿してコミュニケーションを取ることも可能だ。SNSサービスが多々ある中でBehanceが持つ独自性は、このサービスが「作品ありき」なところである。BehanceはクリエイティブファーストなSNSサービスであり、必然その中で育まれる交流も作品にまつわるコミュニケーションになっていく。これが独自の文化圏を産んでいるのだ。クリエイターの視点から見れば、自分の作品をプロジェクトページに投稿することで、世界中のクリエイターから評価やコメントをもらえる場所として活用できる。海外のクライアントから仕事を受注する機会にもなるだろう。

 

 また、近年ではBehanceにNFT作品をアップロードすることも可能になった。NFTアートの世界ではアーティストと購入者がDiscordチャットで交流を深めたりといった、「作品にまつわるコミュニケーション」が活発であり、Behanceはこのカルチャーと非常に相性が良い。加えてデジタルアートはその仕組み自体がBehanceとの親和性も高く、今後Behance上でのNFTアートにまつわるコミュニケーションはさらに活発になるだろう。クリエイターの相互性を育む場所としてBehanceは唯一無二の存在感を持っている。

 Adobeはクリエイターを金銭的にサポートする活動にも熱心だ。Adobe主催の経済的支援プログラム「Adobe Creative Residency」は、アーティストの活動を金銭的に年間・月間で支援する仕組みだ。この取り組みのWEBサイトには、「クリエイターがコミュニティと制作プロセスを共有しながら、クリエイティブへの情熱を追求すること」をサポートすると記載がある。ここでもAdobeは「コミュニティ」に重きを置いており、アーティストのクリエイティビティが相互に発展することを期待しているのが見て取れる。

 クリエイターが作品を発表すること、そしてその活動を通して得た価値をコミュニティに還元すること。この動きが増えていくことで、やがてそれは大きなうねりとなり、健全で強力なクリエイターエコノミーの創造・発展につながっていく。そして冒頭でも話したが、こうしたコミュニケーションは「楽しい」ものだ。この楽しさをAdobeが支持し、ユニークな取組で支援していることは意義深い。アートを志す人が居たらぜひ。上述したいくつかのサービスを使って、コミュニケーションを楽しんでみてほしい。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる