リアルとバーチャル空間の垣根を超えた“待ち合わせ”が可能に 『デジタルツイン渋谷』デモンストレーション&体験会レポート

 バーチャル接客のデモンストレーションは、SUMADORI-BAR SHIBUYAの中にアパレルの店舗を模したセットが用意されて行われた。自宅にいる利用者がバーチャル空間の店内に来店すると、実店舗にいる店員のスマートフォンにそのアバターが表示される。利用者はバーチャル空間の店内を周りながら、実店舗にいる店員と音声や写真でやりとりすることで、気軽に質問をしたり、試着イメージの写真をリアルタイムにリクエストすることができる。また、アバターは指をさすといった動作も可能。バーチャル空間には商品の陳列まで再現されているため、商品を指さすことでより円滑なコミュニケーションを取ることもできるという。ネットショッピングよりも細かな着用イメージなどを確認しながら店員とコミュニケーションを取り、買い物を進めていく様子がデモンストレーションされた。

 これらは元々モデリングによって構築された「バーチャル渋谷」での実装を目指していたというが、「バーチャル渋谷」は渋谷の街並みを元にしながらも、リアルではできないことを実現していくことができるサービス。そのため現実との整合性が取れない部分があるのに対し、デジタルツイン渋谷は実物の写真などを使い本物を忠実に再現することで、リアルとバーチャルとの連動を可能にしている。店内の商品を指さしてコミュニケーションを取ることができるのも、店内にある商品やその陳列をスキャンするだけでバーチャル空間内に反映することのできる手軽さがあってのこと。モデリングの必要のない、スキャンするだけでいいという手軽さやコストの低さ、再現度の高さもデジタルツインの特徴だ。

 デモンストレーションを終えた長谷部渋谷区長は「コロナ禍で学校での職業体験が難しくなっていますが、デジタルツイン渋谷を利用すれば子供たちもいろんなことができるようになるかもしれません。区役所に来なくても様々なことができるようになるかもしれないなとも思います。全てがバーチャルじゃないからできることもあるのでは」と教育や行政への応用の期待も口にした。今後KDDIは、アパレルや飲食業、観光業や家電量販店などと実証を進め、2023年夏頃のサービス提供を予定しているという。

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