2021年頃から、さまざまなSNSで俳優シルヴェスター・スタローンが所有する放棄されたヴィンテージ高級車や自宅の一部を映したとされる動画がシェアされ、都市伝説のようになっている。

　話題になったきっかけはYouTubeチャンネル「XPLR World」が2018年に公開した動画だ。動画に登場する高級車にはスタローンの愛称である「SLY」のナンバープレートが付いている。例えばヴィンテージのメルセデス・ベンツには「SLY 3」と書かれたプレートが、限定車である「クレネ」と思われる車には「SLY 2」と書かれたプレートがついていた。クレネは1970年代から1980年代にかけてカリフォルニア州サンタバーバラでごく限られた数しか生産されなかった自動車で、スタローンも所有していたとされている。

　動画内で場所は公開されていないが、いくつかの車のナンバープレートにワシントンDCやメリーランド州の文字が見える。スタローンがメリーランド州シルバー・スプリングスのレンガ造りの家で育ったとされることから、背景に写るレンガ造りの家を指摘する人もいる。

　しかしSnopesの記者がメリーランド州運輸省自動車局の広報担当者に問い合わせたところ、該当のメリーランド州ナンバーの車はメリーランド州の誰かが登録しており、それはスタローンではないとの回答だった。

　YouTubeの動画に対するコメントでは、この家はスタローンのものではなく、スタローンが所有していたコレクションから車を購入したフランスの男性のものだという指摘があった。もしそうならばいくつかの車に見られる「SLY」のナンバープレートも説明がつく。他にもクレネ自動車の生みの親であるアラン・クレネの弟の持ち物だという説や、同じく「SLY」を愛称にするミュージシャンのスライ・ストーンの所有物だという説もある。

　あまりに情報が錯綜しており、真相を確かめるにはスタローン本人に回答してもらう他なさそうだ。

（画像＝YouTubeより）

〈Source〉
https://www.snopes.com/fact-check/sylvester-stallone-abandoned-property/
https://youtu.be/CdVQtr_mX6E