夏休みはアウトドア系動画が流行しやすい? YouTubeの急上昇ランキングを分析してみた

 7月5週目は先週とは顔ぶれがガラっと変わり、釣りやキャンプといったアウトドア系の動画が急上昇にランクイン。一体なぜアウトドア系の動画が突如ランキングに浮上したのか、分析してみたい。

巨大海ヘビが釣れたので生でいただきます!

 まず急上昇ランキングに登場したのは、釣りや釣った魚を食す動画が人気の『わっさむチャンネル』。以前は巨大ウツボを釣り上げ話題になったわっさんが、今回は全長約170cmのウミヘビを釣った様子を収めた動画に注目が集まり、急上昇入りを果たした。わっさんは今回、エビを餌に夜の海釣りに挑戦。かなり強い引きで竿を大きくしならせ、暗闇の中で引き揚げた瞬間はその正体がわからず、「え? これ何」と怪訝な様子だったが、アナゴのような姿に尖った口とテカテカのお腹の魚の正体がウミヘビだったことが、のちに判明した。

 わっさむチャンネルでは、大きな魚を釣った際には平置きした魚の横に154cmのわっさんが横たわり、自身の身長と比べるのが恒例となっている。わっさんは今回も、「縄跳びにできそうなくらい長い」というウミヘビと“添い寝”し、その差からウミヘビの長さを約170cmと推測した。その後はウミヘビを慣れた手つきで捌き、刺身と煮付けを作ると、刺身はアナゴやウツボに、煮付けはすごく柔らかく、サンマの蒲焼に似ているとレポート。釣ったものの大きさを身をもって証明し、初めて食す魚にも臆することなく工夫しながら調理、レポートするという、わっさむチャンネルの人気の理由を裏付けた動画だった。

真夏のキャンプで危険すぎる・・・

 女性アウトドア系YouTuberの中でも絶大な人気を誇るマルコスは、生後10カ月の愛犬とともに訪れた、和歌山県を流れる古座川でのキャンプ動画が急上昇にランクイン。到着後、タープとテントを設営し、川では愛犬と遊び、スイカを冷やすという、絵に描いたような夏の一日が収められている。実はこのスイカを冷やす際、マルコスの愛犬がスイカをボールと勘違いし、口に咥えて運んでいくというアクシデントが発生。愛犬が噛んだことであいてしまった穴から川の水が入りこんだスイカを食べたマルコスは、翌日に胃腸炎で救急車で運ばれたことを明かし、「どんな綺麗な川の水でも絶対口に入れないように」と注意を促している。

 ちなみにマルコスは、2019年に日本人として初めてアマゾン川で開催された国際釣りトーナメントに日本代表選手として選抜された経歴をもつが、今回の動画は釣りシーンはなし。動画内では、マルコス自らドローンを操縦し、巨大な一枚岩を含むキャンプ地周辺の大自然も紹介。夏休みを擬似体験できる動画で根強い人気を見せつけた。

工場の裏にはタコが住んでる

 そしてこの週、タコを釣る動画で注目を集めたのがホモサピだ。魚のみならず虫やドングリ、雑草など、獲ったものはなんでも食してしまうYouTuberのホモサピが、今回は生物仲間と大海原に繰り出し、タコ釣りに挑戦した。ポイントに到着し、ルアーを海に放り投げると、すぐにタコをゲット。ポイントを変えながら次々とタコを釣り上げるも、雲が出はじめ、海が荒れてきたところで釣りは終了。自然相手に無理をしない姿勢は、釣り初心者のお手本になるだろう。

 釣り終了後には、手順を説明しながらタコの下処理を行い、タコがもつ毒についても視聴者にしっかりと説明。マダコのカルパッチョを作りながら食材のひとつである紫玉ねぎに含まれるアントシアニンの性質を解説し、たこわさを作る際にはタコを柔らかくする方法を伝授するなど、充実度がかなり高いことがわかる。ただ釣って料理し、食べるといったフォーマットではなく、食育という側面をもつといったホモサピの人気の理由がわかる動画だった。

 今回急上昇に登場したのは、アウトドア系チャンネルの中でも個々の強みをしっかりと持ち、コアファンがついているYouTuberたちだ。しかし、夏休みに突入したことで視聴者も夏を満喫できる動画やレジャーの参考になる動画を求めている可能性が高く、そのような傾向を掴んだ動画クリエイターたちが、アウトドア動画を積極的に投稿していることも考えられる。次はどんなアウトドア系動画が人気を集めるのか、動画クリエイターたちの 熱い夏に注目したい。

出典:
https://www.youtube.com/watch?v=c2IcY0n7Jvo
https://www.youtube.com/watch?v=ZLKg5tO3LNM
https://www.youtube.com/watch?v=w-59vwe7YfQ

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