100億ドルの宇宙望遠鏡、ついに撮影した写真を公開
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が軌道に乗り、半年が経った。待望の「ファーストライト」観測の写真が7月12日に公開される。
ウェッブ望遠鏡は地球上で望遠鏡を設計、製造、試験するために20年近くを費やし、2021年のクリスマスに打ち上げられた。その努力が実り、現在は望遠鏡の直径6.5mの巨大な鏡が科学的データと画像を収集している。
NASAの科学プログラムを率いるトーマス・ズルブチェンは、6月に行われた記者会見で「写真は今まさに撮影されているところです。すでにいくつかの科学的な発見があり、これからも撮影されていきます。歴史に残るようなデータを得ている最中なのです」と成果を語った。
NASAは、7月12日にウェッブ望遠鏡の「ファーストライト」観測の結果であるいくつかの写真を公開する予定であると述べた。人類がこれまでに見たこともないような宇宙の奥深くまでを見通した画像や、太陽系外惑星の周りの大気のスペクトルなどが含まれる。
ウェッブ望遠鏡は赤外線で宇宙を見ることにより、二酸化炭素やオゾンなどの小さな分子の痕跡を識別することができ、星の居住性についても重要な手がかりを得られるだろう。
写真の公開までをカウントダウンをする特設ページも公開されている。
ウェッブ望遠鏡は、これまでに開発された中で最も強力で複雑な天文システムであり、最も高価(100億ドル)だ。複雑な鏡のシステムと高度なシールドを備えており、すべてがうまく機能することを確認するために、望遠鏡は厳格にテストされなければならなかった。
NASAの副長官であるパム・メルロイは、ウェッブ望遠鏡がこれまでに生み出した画像に圧倒されたと述べた。「私が見たものは、科学者として、エンジニアとして、そして1人の人間として、私を感動させました」と、語った。ズルブチェンは、ウェッブ望遠鏡のデータに初めて触れたときのことを「その能力に畏敬の念を抱いた」と振り返った。最初の写真を見た時は「涙が出そうになった」とのこと。
ウェッブ望遠鏡は、2028年までの運用と10年間のミッションの間に、他にも多くの研究に活用される予定だ。すべてはこの「ファーストライト」の画像から始まる。
(画像=NASAより)
〈Source〉
https://arstechnica.com/science/2022/06/nasa-teases-extraordinary-images-captured-by-its-webb-telescope/
https://www.universetoday.com/156539/astronomer-working-with-webb-said-the-new-images-almost-brought-him-to-tears-well-see-them-on-july-12th/