数十億ドルを騙し取った“暗号の女王”がFBIから指名手配に 「整形手術を受け、外見を変えている可能性がある 」

 投資家から数十億ドルをだまし取った「OneCoin」の背後にいる自称「Cryptoqueen(暗号の女王)」のルジャ・イグナートワ博士がFBIの10大重要指名手配リストに追加された。2017年にOneCoinについて深刻な疑問が持たれ始めると、イグナートワは姿を消した。

 イグナートワは5年ほど前から行方不明になっている。FBIの指名手配リストには「武装した護衛や仲間を連れて移動していると思われる」、「整形手術を受け、外見を変えている可能性がある 」と注意喚起されている。

 OneCoinは2014年に始まった暗号資産を名乗る詐欺だ。暗号資産はブロックチェーン上に構築されている必要があるが、その定義すらも守られていなかった。OneCoinは本部がコントロールする中央集権的なデジタル通貨にすぎない。取引所は2017年に閉鎖されたが、信じられないことに、この通貨はまだ一部で取り引きされている。

 イグナートワはOneCoinの成長を支える重要な要素だった。高学歴で多言語を操り、華やかなファッションをまとう彼女は、巨額の投資を引き寄せ、さらに別の投資家を惹きつけた。疑惑によりヨーロッパでの投資が枯渇し始めると、OneCoinはウガンダなどの貧しいコミュニティをターゲットにし、新たな投資家を取り込んだ。

 イグナートワは2019年に、電信送金詐欺や証券詐欺など8つの犯罪で起訴された。

 ユーロポール(欧州刑事警察機構)は5月にイグナートワを最重要指名手配リストに加え、FBIの通達では10万ドルの報奨金が提供されている。

 ジャーナリストのジェイミー・バートレットはBBCに「これはおそらく、2017年10月にルジャ博士が失踪して以来、この事件で最大の進展だ」と語った。バートレットはBBCのポッドキャストシリーズ「The Missing Cryptoqueen(行方不明の暗号の女王)」で、イグナートワを魅力的に解き明かした人物である。バートレットは、彼女が「高品質の偽身分証明書を持ち、外見を変えている」だけでなく、少なくとも5億ドルを所持していると述べている。行方不明である可能性が高いが、死んでいる可能性もあるとも指摘する。

 イグナートワは23万ビットコインを持ち、この通貨の最大の保有者の1人であるという説もある。彼女が最後に目撃されたのは、2017年にギリシャ行きの便に搭乗しているところだった。その後の行方は分かっていない。

(画像=Twitterより)

〈Source〉
https://www.pcgamer.com/the-missing-cryptoqueen-makes-the-fbis-10-most-wanted-list/
https://www.bbc.com/news/technology-61966824
https://twitter.com/SDNYnews

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