中国でも人気のVTuber・神楽めあ＆花園セレナ＆緋赤エリオに聞く、日中を股にかけ目指す“王道アイドル”像

文・取材＝臼井杏奈

王道アイドルコンセプトなのに……全員が「団体行動が苦手」？

――これまで自己プロデュースで成長してきた皆さんですが、なぜアイドルグループに参加しようと決めたのでしょうか？

めあ：活動は4年近くになるんですが、ファンに届けられる“神楽めあ”のコンテンツを日々考えていて。基本は1人で考えるので、自分だけだと限界があるなと思ったんです。いろんなコンテンツに関わってきた人たちがいる「バーチャルシンデレラプロジェクト」には魅力を感じたかな。ファンの人たちにこれまでと違うものを届けたいし、一歩踏み出したら新しいファンにも出会えると思うので。あと、1年限定の活動なので参加しました。この1年を全力で走り抜けばいいんだと思えたので……ずっと続くグループなら参加していなかったかも。

――もともとアイドルに憧れていたわけではない？

めあ：アイドルは好きだけど、自分が活動するような場所ではないと思っていたので。集団行動が苦手なので。人と何かをするのってあんまり得意じゃないんですが、ファン視点で考えて参加しました。

――まだちょっとしか活動していないとは思いますが……いまのところ集団行動は大丈夫？

めあ：これ、ほかの2人がいない体で大丈夫ですか？（笑）　正直しんどいですけどね、ふふふ！　私が一番気が回ってない方だと思うけど、それでもしんどいから、ほかの人たちはもっとしんどいんだろうな〜と思うので、頑張ろうと思ってます。楽しいこともありますし、この活動で誰かが喜んでくれるかもしれないと思うので動いてる感じ。

セレナ：私も集団行動はすごく苦手ですね……。すごく気を使ってしまうので、前に出ようと思っていても、なかなか前にいけないタイプ。元々アイドルに憧れはあったんですが、自分がグループで目立てる存在になれるか不安もありました。でも本来やりたかったアイドルの歌って踊ってという新しい一面をみんなに見てもらいたい、“あなたの飼い猫”がアイドルになったよと、見せたかったですね。それに1人とはまた違った刺激をもらえたり、人とものづくりをするのも楽しいなと純粋に思いました。

エリオ：うん、私も団体行動……苦手です。個人で活動してる人はみんな団体行動苦手な気がする。企業で活動していた時も求められていることができなくて、今回のグループのお誘いも「出来ないです、アイドル向きじゃないですよ」と一度断っているんです。でも熱心に誘ってもらえて、求められているんだと感じて参加を決めました。それとファンの方々が“奇跡の夜”に背中を押してくれたので、恩返ししたいなと。

――ファンの方々はアイドル活動をすると聞いて、喜んだのでは？

エリオ：喜んでいましたね〜。「我らの団長がアイドルに！」って。ただ喜んでくれた反面、いまだに「本当にアイドルになったんですよね？」って聞かれるぐらい、アイドルらしくないことしているんで、不安の声も上がっています（笑）。このキャラをどこまで封印できるかが今後の課題ですね……。

――みなさん色々な思いはあるようですが、アイドルとしての野望、目標はありますか？

エリオ：私は声だけでやってきたので、アイドルをきっかけに声を知ってもらえたらいいなと思いますね。いまはまだ“バーチャル沢城みゆき”みたいにほかの人の名前が出てきてしまうので、「この声はエリオだ！」と知ってもらいたい。できるかわからないですが、声劇とか、プチアニメの吹き替えとかもやりたいな。

めあ：指原さんも言っていたんですが、アイドル王道感のあるコンセプトのグループであり、そういった楽曲を歌うので、一生懸命王道アイドルやります。元AKB48の渡辺麻友さんが好きなので、まゆゆみたいな王道にね。心にまゆゆを宿すんで……。

セレナ：いままで一人でやってきたので、大勢の声が重なる中でも、私の声を聞き分けてもらえる存在でありたいなと思います。グローバルで活動するのがこのグループのコンセプトなので、いままで触れてもらうことができなかった人たちにも「バーチャルアイドルっていいな」と思ってもらえたり、そこから自分を知ってもらえたらいいな。王道アイドル曲も一人でやるのは寂しいので、やっと念願が叶った感じです。

――――デビュー曲の『明日君の手を握れたなら』は、まさに、王道アイドルな歌！な曲ですが、歌ってみてどうでしたか？

めあ：めちゃめちゃ可愛い歌。一度全録りしてから歌を割り振るんですけど、自分がどんなパートになるかわからないから変に緊張しましたね。ここは私が歌いたかったなというところもありました。そこはセレナちゃんが歌ってました（笑）。

セレナ：「めあちゃんのここ、めっちゃいいな〜！」とか「こう歌うんだ！」というのもすごくありましたね。

めあ：収録してる時に「もう一回！もう一回！」って言われて「もうこれ一生だめなヤツじゃん！」って思うパートもありましたね。結局妥協で「うーんじゃあ、次いこうか〜」となった部分があったから、ここ振られたら死ぬなと思って……。リズムが難しくて一生入れなかったんですよね。

――結局その部分は誰が引き当てたんでしょう？

めあ：セレナちゃんとエリオちゃんが歌って、私だけ外されてた！（笑）

エリオ：（笑）。でも完成した音源を聞いたら2人の声が本当に可愛くてよかったです。めあちゃんは普段、こんなキャラクターなのに、歌だけ聞いたら可愛いんですよ！知らない人がいるなと思って聞いたらめあちゃんだった。

めあ：ですよね〜。180度キャラが違う。

エリオ：セレナちゃんは癒しの声。私の歌は個性を出すというより、王道アイドルになろうというコンセプトで歌っているので、いままでの“緋赤エリオ”ではない人が歌っていますね。新しさと出会ってくれたらいいな〜と思います。

期間限定だからこそ「もう終わっちゃうの？」と惜しまれるグループになりたい

――オーディションで選出された新人メンバー3名（雨音るな、UzuMe、星羅ミント）が加入し、これからますますグループらしくなってくるかと思いますが、3人で「こういうグループにしたい」という話はしますか？

エリオ：しないですね……。王道アイドルってコンセプトだと思ってるから、与えられたものに忠実に。

セレナ：この1年が終わったら、また個人の道に戻ると思うので、作ったものはより多くの人に見てもらいたい、ライブをたくさんやりたいなと思っています。制作の方々やメンバーとせっかく作ったものだし、今後はできないことだと思うので、大きなところでライブをやりたいですね。

めあ：なんだろうな〜。都道府県巡ってライブとか？（笑）地方でやったことないんですよ。都心が多めなので。会ったことのない人が地方に行ったらいるのかな？　中国ではビリビリのイベントでファンの人の顔が見えないくらいの大きな会場でライブをしたんです。日本武道館みたいな感じの大きさ。全員がペンライト持っていて会場がキラキラしている感じだった。一人で活動してるとペンライトの色が一色だから、もっとみんなのメンバーカラーでキラキラする会場を見てみたいですねぇ。

エリオ：1年走り抜けて、「もう終わっちゃうの？嘘でしょ〜もっと見たい」と惜しまれるグループになりたい。それに指原さんが携わってくれるグループって、もう立派にアイドルだと思うので、リアルアイドルの方たちとライブでコラボとかしたいな。3Dとリアルのコラボ！

――野望がいっぱいあるんですね。最後に、これから本格的に始まる活動への意気込みを教えてください。

めあ：そうっすね……1年だけになるかなと思うので、新メンバー含め、スタッフさんといろんなことをしていけるのが楽しみ。もう活動はしているけれど、本格的なスタートラインはまだなので、しっかりスタートを切って、みんなに素敵なパフォーマンスや楽しさ面白さを届けていきたいと思います。

セレナ：歌とかダンス、自分たちで作り上げてきたもの、指原さんやこのプロジェクトに関わっている方たちみなさんの作品を楽しんでもらいたいです。エリオちゃんも仰ってたんですが、終わった時に名残惜しいと思ってもらいたい。みんな個性があるけれど個性が潰れない、そういうグループになりたいです。

エリオ：アイドルVTuberって、探せばほかにもそこそこいると思うんですけど、「VTuberアイドルといえば」という、代名詞的なグループになりたいと思っています。全員がめちゃくちゃ個性が強くて、それぞれにコアなファンがついていて、集まった時にすごい熱で応援してもらえるようなアイドルになりたいですね。

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