周央サンゴは『スペイン村』を、『パリピ孔明』はクリエイター業界を、VRChatコミュニティは日産自動車を盛り立てる
国内企業において、メタバースを最も効果的に活用している企業の一つと言えば、日産自動車がまず挙げられる。銀座のギャラリー「NISSAN CROSSING」を『VRChat』上に建設し、SDGsに絡めた環境ツアーを実施、さらに「ハンドルぐるぐる体操」のプロモーションを行うなど、『VRChat』を軸に多くの活動を実施してきた。
そんな日産自動車が5月20日、史上初となる「メタバース上での新車お披露目会」を実施した。14時に現実の会場で新型軽電気自動車『日産サクラ』を発表した後、20時に「VRChat」上にて実施されたお披露目会は、光のエフェクトや空間操作などで演出を行う「パーティクルライブ」を交えた新車発表と、『日産サクラ』に試乗できる新作ワールド体験の二本立て。目と耳で楽しみ、さらに乗って楽しめる、VRメタバースのもたらす力をすべて注ぎこんだようなイベントとなった。
イベントそのものも、事前にプレスリリースを打ちつつ、メイン会場とは別にパブリックビューイング会場を用意し、さらに公式チャンネルも含めて全5つのYouTubeチャンネルにて配信を行うなど、これまでの日産のメタバース事業でも最大規模のイベントとなった。
そして、『VRChat』コミュニティのクリエイターやインフルエンサーと協働で作り上げる姿勢は健在であり、ワールド制作、パフォーマンス、配信支援など、多岐に渡る領域でコミュニティの人々が参加した。コミュニティと企業が共に作り上げる「メタバースの未来」は、たしかにそこにあった。
インフルエンサーと企業の距離、あるいはコミュニティと企業の距離が縮まることで生まれる価値は多い。それは、バーチャルな世界でもまた同様なのだと感じさせる出来事が、いくつか見られた一週間だった。