Twitterを制するものはYouTubeを制す?  「アイシングクッキーYouTuber」が人気クリエイターになるまでの見事なSNS戦略とは

 チャンネルが乱立し、飽和状態にあるYouTube。ただ単に動画を投稿しても人気を得るにはだいぶ難しい状況になっているのだが、SNSを戦略的に利用することで、人気を博しているYouTuberがいる。それが、“世界一食べられないお菓子”を作る「ホイップシュガー」だ。

ホイップシュガーを人気にしたのは計算されたSNS戦略だった

 2019年11月末にYouTubeチャンネルを開設したアイシングクッキーYouTuber・ホイップシュガーは、ポケモンを中心に人気キャラクターをアイシングクッキーや砂糖などで制作し、その過程をYouTubeで公開しているクリエイター。赤川次郎作品の『誇り高き週末』新装版(集英社文庫)のカバーを担当するほか、少年ジャンプの公式YouTubeやSEGAとコラボするなど案件を数多くこなす一方で、最近ではトップYouTuberの一組であるフィッシャーズやばんばんざいともコラボを果たし、波に乗っているクリエイターだ。

アイシングクッキーでスマブラ参戦のネスのお菓子作ってみた【フィッシャーズ 】コラボ /WHIP SUGAR

 ホイップシュガーのように、お菓子を作製する様子を動画で紹介しているクリエイターもまた数多くいるわけだが、一体なぜホイップシュガーがほかのクリエイターを抑え、人気YouTuberとしてブレイクしたのか……。その答えは計算されたTwitterの使い方にある。

 ホイップシュガーが小学生のころから親しみ、「完全にファンだった」と公言するポケモンは、日本で毎週Twitterのトレンドのベスト10に入るキーワードでもある。ホイップシュガーはYouTubeで活動するにあたり、そこに目を付けたのだ。

ホイップシュガー流Twitterバズらせ方は「トレンド」を意識すること

 ホイップシュガーはYouTubeで活動を始めた当初、テレビアニメ『ポケットモンスター』の次回予告に登場するキャラクターを翌週の放送日までにアイシングクッキーで制作。アニメの放映に合わせてTwitterに作品を投稿し、バズらせるという手法にたどり着いたという。

 実際ホイップシュガーのツイートを見てみると、この手法で2020年12月に投稿された『呪術廻戦』五条悟の作品は2.7万、日本テレビ系「金曜ロードショー」の放送に合わせて投稿された『千と千尋の神隠し』の坊ネズミとハエドリ、大量のススワタリは10万を超える「いいね」を獲得している(数値はすべて5月17日時点)。

 以前、ホイップシュガーはこのTwitterでのバズり方について「バズることだけ研究して。どのタイミングでこのトレンドがくるのか、ゲームの発売日がいつだから、何日前に公式が発表するだろうっていうところもチェックして」と発言しており、バズりはそんな研究の賜物といえる(らいばーずワールドインタビュー記事より)。

 もちろんTwitterのトレンドに合わせて1度だけ投稿したからといってすべての作品がバズるわけではないが、数回投稿することで、2回目、3回目で数万もの「いいね」が付くこともあるそうだ。

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