ドリフトの魅力に取り憑かれニュージーランドへ渡った日本人 海外だからこそできる独創的な企画のYouTubeチャンネル
日本のYouTubeでは、芸能人の乗る愛車紹介動画や、カスタムに関する動画などクルマに関わるコンテンツが人気となっている。しかし日本人でありながら、異国の地で自動車の魅力に取り憑かれたYouTubeチャンネルがある。
今回紹介するYoutubeチャンネルは、ニュージーランド在住の日本人自動車整備士である照屋剛さんの「NZ DRIFT LIFE」だ。こちらのチャンネルは、自動車系DIYやニュージーランドの自動車事情、幅広いモータースポーツイベントの紹介を、ドリフトドライバーや整備士、イベント関係者の目線で紹介しているという面白いチャンネルだ。
照屋さんは18歳からドリフトにのめりこみ、24歳ごろから大きな大会に出場し始めた。本格的な車両を製作するものの、車にかけたものの大きさがプレッシャーになりスランプに陥る。ショップの知人に相談したところ海外への渡航を勧められ、知人伝いに英語のできない中、整備士免許を携えニュージーランドへ渡り、現在は永住権を取得。非英語ユーザー向けの出張整備士業で起業もしている。
まず紹介する動画は、某ゲームを連想させるかのようなドリフト走行専用カートを制作するシリーズ。2019年9月から始動したシリーズ企画となっているこの製作動画は、再生リストから追って視聴することができる。自宅の周りにサーキットを作ってしまった照屋さんは、乗用車サイズで走るには車両サイズが大きすぎるという課題を抱えていた。そこでカートのサイズで気軽に四輪ドリフト走行を楽しめないか? という発想の元企画されたのがこのプロジェクトだ。
初代の車両はコストなどの理由でレーシングカートと後輪を滑らせて遊ぶドリフト三輪車を合体させるという手法をとっている。ところがただ合体させただけでは上手くドリフトはできない。ドリフトドライバーの経験をもとにステアリング機構・足回りの見直しや、ドリフト走行のきっかけづくりで必要な後輪を瞬間的にロックさせるサイドブレーキの増設などの改造を行っている。
完成後に行われたテスト走行では、楽しそうに走る姿を披露。本格的なサーキットにも持ち込みテストも行ったようだ。車両は、徐々に改善され、キュートな箱型ボディも身にまとい、有名ドリフトドライバーであるMAD MIKEさんの手によりデザイン・カラーリングされ「箱スカGTR」な見た目となった。
そしてこの初代の経験を元に、新型機の製作もスタート。この車両は、なんとシャーシを一から設計・製作し、よりドリフト向けなカートとなっている。
ステアリングの切れる角度も、タイヤが真横に近いほど向くようになる。これはドリフト中のスピンを防ぐ働きをし、角度の深いドリフト走行が可能となる。このドリフトカートは、ニュージーランドのイベントで注目の的なようだ。
現在は、ドライビングシミュレーターソフトAssettoCorsa向けのバーチャルモデルも配信をスタートさせたようで、バーチャル空間でこのカートをより多くの人が楽しめることになりそうだ。まさに自分の情熱が具現化し様々な人との出会いのきっかけにもなったプロジェクトと言えるだろう。