女性ADの“日常”が数百万回再生の大ヒット 「一般人の生態」はYouTubeでなぜ人気?
テレビ番組のADとして働く若い女性の日常を映したYouTubeチャンネル「サイボーグAD飯岡チャンネル」が人気を集めている。
チャンネルに出演するのは、ADの飯岡未祐さん。彼女が注目されるきっかけになったのが、2019年2月14日に放送されたバラエティ番組『メッセンジャーの○○は大丈夫なのか?』(毎日放送)だった。番組では、キャラの立っていない2人の女性タレントにキャラを付けるべく、日本一の高さ100mを誇るバンジージャンプに挑戦させる企画を敢行することに。ところが2人ともあまりの恐怖から直前でリタイア。このままでは企画が成立しない……。そんな緊急事態に駆り出されたのが飯岡さんだった。
ディレクターから「お前、飛んでくれへん?」と言われると、飯岡さんは「はい」と即答。無表情のまま事も無げに空中へダイブして見せ、視聴者に強烈なインパクトを残した。以来、飯岡さんは度々番組内で演者として駆り出されるようになり、どんな過酷な企画でも表情を変えず淡々とこなす姿から、いつしか「サイボーグAD」と呼ばれることになったようだ。
そんな飯田さんが、番組の企画を発端としてYouTubeチャンネル「サイボーグAD飯岡チャンネル」を始動させたのが、2020年1月21日のこと。同日公開された1本目の動画「ADのモーニングルーティン(ロケがない日編)」は、再生回数400万回超と大変な数字を記録している。ほかにも、20年7月31日に公開された314万再生の「【ファミレス飲み】サイゼリヤでビールを飲む【ADの晩酌】」と題した動画や、21年1月22日に公開された343万再生の「【くら寿司】仕事終わりに回転寿司に駆け込みビールを飲む【ADの晩酌】」と題した動画など、トリプルミリオン超えの動画も少なくない。
しかも直近の動画も、22年3月25日公開の「浅草ホッピー通りで丸一日酒漬けだった関西の女1人旅【ADの晩酌】」と題した動画が47万再生、同3月31日公開の「【生牡蠣】ハイボール片手に一晩で牡蠣30個食べる贅沢晩酌【絶品】」と題した動画が60万再生と、高いアベレージを維持している(※再生回数は全て22年4月8日時点)。
チャンネルでは、飯岡さんが一人、飲食店や自宅などで美味しい料理を肴にお酒を飲む動画が大半を占める。基本的に飲み食いするだけなので、飯岡さんは、店員さんに料理を注文する時以外ほとんどしゃべらない。しかし、飲みっぷり、食いっぷりが非常によく、彼女の可愛らしいビジュアルもあってか、コメント欄には「癒される」といった声が殺到。中には、「動画を観ながらお酒を一緒になって飲むのが楽しい」といった旨の意見も寄せられており、お酒のお供としても親しまれているようだ。
そんな「サイボーグAD飯岡チャンネル」の登録者数は22年4月8日時点で47.8万人。斬新な企画をしなくても、トークが達者でなくても、また、誰もが知る有名人でなくても、キャラと親しみやすさ、そしてそれらを動画内で上手に伝える方法さえ確立すれば、YouTubeでひとかどの成功を収められるという好例にこのチャンネルはなりそうだ。