VTuber界でも屈指のMC力を誇る早瀬走 人を惹きつけるキャラクターと意外なギャップに迫る

 そんな彼女であるが、デビュー初期からその特徴的な声色でリスナーの耳を惹き、特に歌配信や歌ってみた動画でも注目を集めてきた。女性としては低めな声のトーン、声質はスモーキーかつハスキー、若いころにポリープに近い症状をかかえたあとに現在の声になったという。

 彼女の嗜好性で特徴的なのは、ロボット系アニメソングや昭和歌謡が大好きという点だろう。「最近のアニソンは知らん」とキッパリ言っており、全体的に00年代から90年代、選曲によっては80年代前後に選曲が偏る生歌配信もあるほどだ。

 同じにじさんじでいえばメリッサ・キンレンカやレヴィ・エリファらが、彼女と同じようか声質・歌唱で注目を集めるところ。もしも彼女ら3人が集まって歌を唄ったなら? などと想像してしまいそうになる。

【歌】90年代付近アニソン多め
【#早瀬の歌週間】2日目 昭和歌謡【早瀬走/にじさんじ】

 2022年3月6日には、自身にとって念願となる3Dの姿をお披露目することに。当初はもう少し早いタイミングであったはずが、先述した病気の手術・治療と重なり、ほぼ半年ほど延期したうえでの発表となった。

 彼女のライブがこれまでの3D披露目配信とは一線を画していたことも、注目される理由にもなっただろう。最初に告知された段階から『3D LIVE』を配信前から謳っており、にじさんじの公式ライブと同じような「イベント直前突撃リポート」を模した配信までするなど、徹底したオマージュぶり。

 「イベント直前突撃リポート」に登場するちょっとおかしな(?)お客さんたち、ライブ本編に早瀬と共にコラボした同僚のライバーたち、楽曲でちょっとだけコーラスに参加している人やアンコールの声に参加した方々、なにより会場のナレーション役を務めた同期の健屋とシェリンの2人に至るまで、30人前後のライバーらが彼女の配信に関わった。彼女の人柄の良さや明るいキャラクターが、この大きな輪を生んだのは言うまでもない。

 アンコールとして「Virtual To Live」を唄うと、彼女からは自然と涙が溢れた。それはこの配信に大きく力を割いたからだけではなく、支えてくれた仲間の姿や数年に渡る活動が脳裏をよぎったからであろう。

 2022年もまだ3か月が過ぎたところ。今後は彼女がどのような活動・アクションを見せてくれるのか、注目が集まるところだ。

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