オーディオライターに聞く、自分に合った「ポータブルスピーカー」の選び方とは?
Tribitは中国メーカーのサウザンドショアスが手掛けるオーディオブランド。Amazonなどでは中国メーカーのオーディオ製品をよくみかけるが、意外なことにポータブルスピーカーを手掛けている企業は少ないと折原氏は話す。そんななか、この『Tribit XSound Go』は“日本人向け”の音楽リスニングを叶えているのだという。 「『Tribit XSound Go』の音は日本人好みの上品な音質だと思いますね。日本人は高音がキツいスピーカーを好まない傾向にあるのですが、反対に欧米や中国メーカーだとそういったものを好む人口が多いからか、高音が響くスピーカーが多いんです。『Tribit XSound Go』は中国メーカーでありながら高音があまり響かず、歌声で重要な中高音域に厚みがあり、重低音もよく聞こえます。J-POPは歌声と低音を重視してるものが多いですし、そういう意味ではマッチしているのかなと。また、声がよく聞こえるのでYouTubeの動画なども相性がいいです」
『Tribit XSound Go』が特徴としている低音については「引き締まっていて、ズンズンとリズムの刻みが深く鋭く聞こえながらも振動があまりありません。作業しているテーブルの上に置いても揺れたりすることはありませんでした。もちろん体に響くような低音の音を好む方もいらっしゃいますが、オーディオマニアの方はこういった引き締まった低音が好きな方も多いですよ。また、音量を小さくしてもしっかりと低音が聞こえるのもよかったです」と音質を担保しながらも日本の騒音問題もクリアにしてくれそうな聞こえ方だったと評価した。
一方で低音と声の聞こえやすさに特化しているからこその「向いていない環境」も存在するという。
「歌声の方に特化していて、声が近くに感じる聞こえ方なので、音の広がりはそこまでありませんでした。『Tribit XSound Go』はスピーカーの向きがハッキリしているタイプで、部屋の真ん中に置いて家族みんなで曲を楽しむという使い方よりかは、一人で作業するテーブルに置いて、パーソナルに音楽を楽しむという使い方の方が向いているなと感じました」
低価格で手にしやすいことが魅力のポータブルスピーカーだが、製品によって聞こえ方や重視すべきポイントは異なってくる。家にいる時間が増えたからこそ、音楽を聴きたい環境、音質の好みなどにしっかりとこだわって、自身に合ったものを選んでみるのもいいかもしれない。