主婦YouTuber・ほしのこが語る、アンチとの向き合い方 「指摘は勉強だと受け入れても、アンチは気にしない」

ーーこだわりが強くないと、「自分が好きなものだけ周りに置こう」といった発言は出ませんよね。ところで、YouTubeを始めた時にリスクやマイナス面まで理解していたのでしょうか?

ほしのこ:全然考えていませんでした。なので、登録者数5000人ぐらいのときに壁にぶつかって。最初はアンチがつきやすいんですよね。子どもも当時は半年で夜泣き真っ最中、睡眠時間もしっかり確保できないような時にYouTubeを始めてしまって。編集の難しさもあったし、アンチも増えるし、いろんなことが限界でした。

 自分を見つめ直していかないと続けてられないと悩んでいる時でも、幸か不幸か仕事はくるんです。お仕事をいただけることは嬉しいことのはずなのに「仕事が来ちゃう……」という、追い詰められた感覚になっていました。もうダメだ、追いつかない。安易に始めたことを後悔するような時期がありました。

ーーでもそんな状態でも仕事が来ていたということは、最初のブランディングが成功していたわけですね。

ほしのこ:それもあると思いますが、1番は主婦YouTuberのポジションがブルーオーシャンだったからだと思います。UUUMに声をかけていただけたのも、主婦をターゲットにした調味料や掃除用品、家電用品をPRできる方がいなかったからでしょう。私が得意とする分野だったので、それがかなりの強みとなり、金額は低くても毎日何本も案件が送られてきました。

 そのため、このチャンスを逃してはいけない、ここで心を折っている場合ではないと、自分を奮い立たせました。それまでアンチの言葉を全て吸収してマイナス感情の悪循環にハマっていました。世の中にこれほどまでに攻撃的な人がいるのかと驚きましたし、それが同じ主婦という立場だと余計に怖く感じていました。しかし、日々送られてくる案件を前に、自分は必要とされているのだから全部プラスにとらえよう。変わろう、と決心したんです。

 寝る間を惜しんで頑張っているのだから、両立するために強気になるしかない。指摘は勉強だと受け入れても、アンチは気にしないことにしたのです。

ーーいまはどうですか?

ほしのこ:いまはあの時と比較すると、攻撃的な人は圧倒的に減りました。あのころは「このままでは私が壊れてしまう。登録者数がこんなに少ないのに。何十万人にも増えたらどうなってしまうのだろう」と不安に思っていたのに。世の中の流れ的にも変わったのかもしれませんが、単純に守ってくれる人も増えました。

ーー本を書いたことをどう思っていますか?

ほしのこ:YouTube以外の方法で、みなさんに発信できたことを嬉しく思っています。また、認知が広がるという面でも書いてよかったです。以前はYouTuberとしての活動だけで精一杯だったので、取材を受ける余裕はありませんでした。そもそも、YouTubeだけで頑張っていこうとも思っていましたし。

 しかし、今年になって登録者数が頭打ちになってしまったんです。YouTubeだけでは限界があり、もっと露出を増やす段階にきたと感じました。ところが、YouTube以外での自分の見せ方や活動がわからない。そんな時に、先ほど話したライターさんから提案していただいたんです。完成した本を手に取って、書いてよかったと思いました。今までもYouTubeで自分の言葉を使い発信してきましたが、文章には喋りとは違う力と魅力があります。

ーー第二弾の話はあるのでしょうか?

ほしのこ:書籍はまた出したいと思っています。近日中にどうこうというものではないのですが、ライターさんと、次は料理系が良いかな、という話が出ています。スタイルブックなどを出すつもりはありません。これは意見が変わることはないと思います。私は自分を見てほしいとか、誰かの憧れの対象になりたいわけではありません。便利で参考になる情報を発信しつづけることがモットーです。スタイルブックは、見た目を支持されているモデルさんなどが出すイメージがあります。私では、人の心に響かないんじゃないかな、と。

 ただ、仕事や家庭の両立といった、等身大の私が試行錯誤したことや、それらを経験したことで変化した考え方を一冊の本にまとめるのは、ありです。考えやライフスタイルなら誰かのヒントになると良いな、そういう本を出したいな、とは思っています。

■書籍情報
『Make My Best Life 私らしい部屋づくりの秘訣』
著者:ほしのこ
定価:1,650円(本体1,500円+税)
発売日:2021年12月22日
判型:A5判
総ページ数:128ページ
発行:株式会社KADOKAWA

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