海外の「ワクチン証明書アプリ」の実情とは? ウクライナ、トルコからレポート
デジタル庁は12月20日、新型コロナウイルスの摂取証明書アプリをApp StoreとGoogle Playにて公開した。自分のワクチン接種履歴が提示できる本アプリだが、海外ではどのように接種証明書アプリが運用されているのだろうか。現地からのレポートをお届けしよう。
ワクチン提示から読み取りまで可能
日本にて配布が始まった「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」では、日本政府が公式に提供する証明書を取得し、提示できるアプリだ。ワクチン証明書は氏名や生年月日、接種記録を文字で表示できるだけでなく、QRコード(二次元コード)による表示にも対応している。
アプリでは日本国内用だけでなく海外用の接種証明書も提示できるので、対応国であれば出張や海外旅行の際にも利用できる。海外用の接種証明書では、パスポートの国籍や旅券番号が同時に表示される。
新型コロナワクチン接種証明書アプリの注意点としては、利用にマイナンバーカードとその暗証番号、海外用を発行する場合にはパスポートが必要な点だ。なお、アプリ自体は無料で配布されている。
身分証明書も提示できるウクライナの「Diia」
それでは、海外では証明書アプリはどのように運用されているのだろうか。著者が滞在しているウクライナでは、「Diia(Дія)」というアプリにて新型コロナワクチン接種証明書が提示できる。
ウクライナではレストランへの入店や長距離移動の公共機関を利用する際には、ワクチン証明書の提示を義務化しており、アプリ(あるいは書面)でワクチン証明書を提示しなければとレストランへの入店を拒まれてしまう。ただし実際には、ワクチン証明書をチェックしないレストランも見受けられた。
なお、Diiaはワクチン接種証明証を提示するだけのアプリではない。デジタル身分証明書や運転免許証を提示できる、政府による統合的な証明書アプリとして運用されている。海外からの旅行者は利用できないが、現地のウクライナ人にとっては実に便利なアプリだ。