eスポーツファンもK-POP好きも楽しめる　韓国のプロゲーマーオーディション番組『LoL THE NEXT 2021』の魅力

　近年、Wanna One、IZ*ONE、X1らを輩出した『PRODUCE』シリーズやENHYPENを生んだ『I-LAND』、最近では新グループKep1erが誕生した『GIRLS PLANET 999』など、本場韓国はもちろん日本でも人気が高まっている韓国のさまざまなオーディション番組。その流行の波は、eスポーツの世界にまで及んでいる。世界中で大人気のオンラインゲーム『League of Legends』（以下、LoL）のプロゲーマーを発掘する番組『LoL THE NEXT』だ。

　本稿では、eスポーツファンはもちろん、K-POP好きも楽しめる同番組の魅力について記していこうと思う。

　同番組のシリーズは2020年8月に初めて『League of Legends』の韓国公式チャンネルで配信され、韓国で非常に話題となった。日本でも国内の『LoL』プロリーグ「LJL」で活動していた韓国出身のOddugi（番組内ではBolBBangG）が出場していたのもあり、「LJL」ファンの間では決勝戦の配信を観戦した人も多かったようである。

　有望株が多く出場しているのも見どころのひとつで、昨年の『LoL THE NEXT』で優勝チームメンバーであったOnerやBurdolは今年、韓国プロリーグ「LCK」のみならず、世界大会「World Championship」にも出場する躍進ぶりを見せた。

　そんな話題の番組が今年、『LoL THE NEXT 2021』としてパワーアップして帰ってきた。地上波のSBSが制作に加わり、韓国の人気ロックバンドFTISLANDのメインボーカルであるイ・ホンギがメインMCとして抜擢。さらにイ・イングォンアナウンサーと、ガールズグループI.O.I出身で現在はWeki Mekiのメンバーであるチェ・ユジョンもMC陣に加わった。

　イ・ホンギは、『LoL』の韓国サーバーがオープンした2009年からの古参プレイヤーとして知られており、番組内では自らプレイする場面も。イ・イングォンアナウンサーも個人チャンネルでプレイ配信をするほど『LoL』に造詣が深く、スポーツ中継の経験を生かして番組内の対決では実況も披露。さらに『PRODUCE 101』出身であるチェ・ユジョンが、オーディション番組特有の緊張感あふれるMCでスパイスを利かせている。

　今回は、アマチュアプレイヤー約800名の応募者のなかから40名が選抜。優勝チーム5名のメンバーには、賞金1億ウォンが授与される。さらに副賞としてプロデビュー専門教育コースの受講、「LCK」プロチームとの練習試合、「LCK AWARDS 2021」ゲスト招待まで、プロを目指す選手なら絶対に手にしたい豪華な特典が目白押しだ。

　初回では、eスポーツや『LoL』に詳しくない層への丁寧な解説があり、予備知識ゼロでも楽しめるよう工夫されている。ちなみに番組内ではeスポーツについて、「ゲームを媒介として人との勝負や記録を争う競技またはステージ活動」との紹介があった。さらに2022年9月に中国・杭州で開催される第19回アジア競技大会で、eスポーツが正式種目に採択されたことで、世界的なスポーツであることが認められたと強調している。

　また、『LoL』については「5人1チームで戦う」こと、「150余りのチャンピオン（キャラクター）からひとつを選択して戦う」こと、「相手の基地を先に破壊したチームの勝利」であるという前提を映像つきで紹介。さらに「個人の能力およびチームワークが求められる戦略ゲーム」であるというポイントも、しっかり押さえられている。

　そして、K-POP好きにとっては一番の目玉とも言えるのが、「アイドル連合チーム」の登場だ。3rdフルアルバムをリリースしたばかりの多国籍ボーイズグループNCTのテヨンとヘチャン、来年結成10週年を迎えるボーイズグループBTOB のウングァン、そしてグループ活動終了後も根強い人気を誇る元IZ*ONEのへウォンがMCのイ・ホンギとともにチームを結成。いずれも『LoL』好きで知られるアイドルたちのプレイの様子を、ゲーム画面つきで見ることができる。