最新パッチが人気すぎて“販売停止” 『FF14』が支持される3つの理由

『FF14』が支持される3つの理由

Sia - Fly Me To The Moon (Inspired by FINAL FANTASY XIV)

 なぜ『FF14』は、MMORPGを代表する人気タイトルとなり得たのだろうか。

 まずは、ゲーム作品としての基本スペックがすべて高いレベルにある点だ。

 映像、音楽、システム、ストーリーなど、クオリティの高いゲームに必須の要素はさまざまあるが、『FF14』はそれらすべてを高次元で形にしている。特にストーリーにおいては、古き良き“『FF』らしさ”を踏襲しており、その王道的シナリオを評価する声は大きい。このストーリーの部分こそ、近年の『FINAL FANTASY』シリーズのナンバリングに最も欠けている部分であったように思う。『FF14』が「ソロでも楽しめるMMORPG」と言われる所以は、オフラインのRPGに求められる要素にも手を抜かなかった点にあると考える。

 2つ目は、時流による追い風だ。

 モバイルの分野がゲーム市場の主要カテゴリとなりつつある昨今だが、課金によってプレイの内容・密度に差が出ることを是としない風潮は、日を追うごとに強くなっている印象がある。そのようななかにあって『FF14』は、期間ごとの定額料金(月額サブスクリプション型)でサービスが提供されており、時間をかければ、誰もが一定の成果を得ることができる。

 ゲーム史を彩ってきた人気シリーズが、続々とモバイルの分野へ手を広げるなか、継続して語られてきた「基本プレイ無料・アイテム課金型」と「パッケージ買い切り型」の対比は、そのまま「基本プレイ無料・アイテム課金型」と「月額サブスクリプション型」の対比へと置き換えられる。クオリティの高いゲームを後者の支払いモデルでプレイしたい層が、『FF14』へと流れてきている可能性は否めないだろう。「同タイトルにハマったことで、モバイルゲームのプレイ量・課金量が減った」そのような層が、少なからず存在しているはずだ。

 3つ目は、『FF14』がのんびりプレイしたい層にも門戸を広げている点である。

 元来、MMORPGというジャンルは、ゲームにたくさんの時間をかけられる層がメインターゲットだった。そのため、どちらかと言えば、和気藹々と楽しめるコンテンツより、ヘビーユーザー向けのやり込みコンテンツに重きが置かれ、時間を割けなくなったプレイヤーは、楽しみ方の変更や、ドロップアウトを余儀なくされるケースも珍しくなかった。

 一方、『FF14』には、仲間内で楽しく遊べるコンテンツが豊富にある。一部を除くカジュアルなコンテンツファインダーやアライアンスレイド、ハウジング、チョコボレース、トリプルトライアド、ロード・オブ・ヴァーミニオン、ドマ式麻雀などはその一例だ。MMORPGでありながら、ひとつのコミュニケーションプラットフォームとして機能している点が同タイトルの強みであり、その長所によって年齢・性別を問わず、幅広いプレイヤーに愛されている実態がある。

 『ポケットモンスター』や『どうぶつの森』、『スプラトゥーン』、『モンスターハンター』、『Fortnite』、『Apex Legends』といった近年のヒットタイトルにも共通するこの特徴。ゆるくプレイしたい層を置き去りにしなかったことが、『FF14』の最大のヒットの理由となっているのではないだろうか。

 人気すぎて販売を制限する事態となっている『FF14』。長いMMORPGの歴史において、これ以上ヒットしたタイトルはなかったと言っても過言ではない。これから先、同タイトルはどのようにして、フリークたちを楽しませてくれるだろうか。『FF14』一強の時代はまだしばらく続きそうだ。

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