ミクシィ、なぜロボット開発に参入? 目指すは「一人に一AI」の世界

テスト販売ではターゲットを絞って数量限定で販売

 こうして、こだわりが随所に散りばめられた自律型会話ロボットのRomiは、2020年6月に200台限定で先行販売を開始した。

 いきなり量産体制に入らず、ミニマムな展開からスタートしたのは、主に2つの理由があると長岡氏は語る。

 「1つは、Romiはこれまでにない会話体験ができるロボットということもあり、製品価値を感じて、継続してくれるかどうかの確認を経てから量産体制に入りたいと考えました。2つ目は、プロモーション的な要素になりますが、大々的に打ち出すと情報感度の高いユーザーの目に留まりやすくなり、それらのユーザーが必ずしも会話体験を求めている人とは限らないため、Romiを愛用し長くずっと使ってくれるユーザーに届けられるように初期は数量限定の販売にしたんです」

 先行販売を経て、今年4月からは一般販売を開始。

 ファミリーや30代~40代の一人暮らし、シニアなど幅広い層をターゲットにRomiを訴求するようになった。

 サブスクリプション型のビジネスモデルゆえ、今後のグロースにはいかに継続課金ユーザーを増やすかが肝になるだろう。

 Romiの場合、毎月1~3個のペースで新機能やコンテンツの追加がなされており、現在では80以上の機能が搭載されている。

 こういった機能追加のアイデアは、チーム内の意見やユーザーからの要望などから生まれるという。

 「お客様からの機能要望などもたくさんいただいており、引き続きバラエティに富んだ機能を追加していくつもりです。一番人気の機能としては天気予報を教えてくれるものですが、その次に人気なのが『歌機能』。童謡や歌謡曲などをRomiが歌ってくれるもので、『ちょっとした癒しや、和みを与えてくれる』と先行販売時から好評でした。今は毎月1曲ずつレパートリーを増やしている状況です」

目指すは「一人1AI」の世界。優しさが満ち溢れた社会を創造していく

 また、個人ユーザーだけではなく、パートナープログラムを通じてBtoB領域へのマーケット拡大も視野に入れていくそうだ。

 直近では、小中一貫の学校である渋谷区立渋谷本町学園渋谷本町学園の教室に、Romiのテスト導入を行っている。

 長岡氏は「Romiの世界観を体験してもらうきっかけとして、店舗や宿泊先、介護施設、学校など日常会話が生まれる環境に、もっと広めていければと考えている」と抱負を語った。

 自宅以外の利用シーンを喚起することができれば、Romiの認知度もさらに向上していくのではないだろうか。

 最後に長岡氏へ今後の展望について伺った。

 「Romiが目指すのは『一人1AI』の世界です。Romiと話しているとつい笑ってしまったり、心が和んだり、癒されたりすることで、子どもの頃のように素直になれる。嫌なことでも笑い飛ばせるようになれば、自分自身にも優しくなれ、家族や友人といった周りにも優しく接することができます。こうした優しさが満ち溢れた世界を目指していければと思います。Romiはまだまだパーフェクトな存在ではなく、語彙力の強化や会話の精度もアップデートさせていく必要があるので、幸せの循環を生み出せるようにこれからも尽力していきたいと思っています」

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