Apple傘下のBeats、AirPodsの裏で進化していた

 米Apple傘下のBeatsブランドは新型ワイヤレスイヤホン「Beats Fit Pro」を発表した。Beatsブランドからはこれまでもワイヤレスイヤホンが複数登場しているが、Beats Fit Proはどのような点で従来製品から進化しているのだろうか。

旧型モデルからいいとこ取り

「Beats Fit Pro」

 Beats Fit Proは左右のイヤホンが独立した、いわゆる「完全ワイヤレスイヤホン」だ。Appleが提供する「空間オーディオ」に対応し、楽曲や動画、ゲームなどで周囲を音源に囲まれたようなサラウンド体験が楽しめる。

 さらに「ダイナミック・ヘッド・トラッキング」にも対応したことで、iPhoneやiPad、Apple TV 4Kでは頭を動かしても音の位置が仮想的に固定される。これにより、ボーカルは目の前、ドラムは左右、ベースは後方……といったように、その場で演奏が行われているかのような体験ができるのだ。

 その他の特徴としては、ANC(アクティブノイズキャンセリング)機能により周囲の騒音を低減できる。さらに、周辺音の取り込みモードも利用可能。本体はIPX4の防滴に対応し、イヤホンだけなら最長6時間、充電ケースと合わせて最長24時間の音楽視聴が可能だ。

 Beats Fit Proの本体カラーはブラック、ホワイト、パープル、グレーの4色で、海外価格は199.99ドル(約2万3000円)。記事執筆時点では、日本での販売は開始されていない。

ノイキャン狙いなら従来モデルもアリ

「Beats Studio Buds」

 Beats Fit Proと同じ完全ワイヤレスイヤホンとして今年6月に登場したのが、「Beats Studio Buds」だ。こちらもANC機能や空間オーディオに対応しているが、残念ながらダイナミック・ヘッド・トラッキングは利用できない。

 防滴性能はIPX4、再生時間は最長8時間(ケース込みで最長24時間)と、スペック的にはBeats Fit Proに劣らない。ただしイヤチップだけで耳に固定する形状なので、イヤチップと小さなウィングで固定するBeats Fit Proに比べれば、スポーツでの安定度には多少差が出るはずだ。

 Beats Studio Budsが優れている点はその価格で、149.99ドル(日本価格は1万7800円)とBeats Fit Proより50ドルも安い。スポーツでの使用を想定していなければ、Beats Studio Budsでも十分だろう。

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