フェルメールの絵画を修復したら、背景にキューピッドが復活 “真の愛”を示すものか
ヨハネス・フェルメールの名画「窓辺で手紙を読む女(1657年頃)」の修復が行われ、塗り潰された背景にキューピッドの姿が復活した。本作を所蔵するドイツのドレスデン国立古典絵画館が、約3年前から修復に取り組んでいた。
この絵は何年ものあいだ、オランダの画家のレンブラント、そして次に同じくオランダのピーテル・デ・ホーホのものだと考えられていたが、その後フランスの美術評論家の鑑定により、1880年にフェルメールのものと断定された。
今回復活したキューピッドは、1979年に行われたX線分析で初めて発見されたという。研究者たちは、フェルメール自身がキューピッドを塗りつぶし、背景に余白を作り出したのではないかと考えていたが、2017年にドレスデン国立古典絵画館の絵画修復家、Christoph Schölzel氏が総合的に検査したところ、フェルメールの死後、18世紀に何者かによって上塗りされたことが明らかとなった。
同絵画館のディレクター、Stephan Koja氏は「背景にキューピッドが復活したことで、画家(フェルメール)の本当の意図が明らかになった」と述べ、「表面的な色恋の文脈を超えた、“真の愛”を表現しているのではないか」と考察している。
完全な姿を取り戻した本作は、今年9月に同館にて一般公開される予定だ。来年1月には上野の東京都美術館にもやってくるので、気になる方はチェックしてみてほしい。
(画像=ART newsより)
■堀口佐知
ガジェット初心者のWebライター兼イラストレーター(自称)。女性向けソーシャルゲームや男性声優関連の記事を多く執筆している。
〈Source〉
https://www.skd.museum/ja/
https://www.artnews.com/art-news/news/vermeer-girl-reading-a-letter-cupid-restoration-1234602227/