現役女子高生の妊娠・出産が多様な人に与える刺激とは? 重川茉弥が示す新しい価値観

現役女子高生の妊娠・出産が与える刺激

 16歳で結婚・出産を経験した現役女子高生モデル重川茉弥(以下、まや)の日常に密着したドキュメンタリー番組『普通の女子高生だったはずの私が 16才でママになって知ったことは、』(ABEMA 以下、『わたママ』)が、多くの人の関心を集めている。ママで、妻で、社会人で、そしてママの娘ーー。さまざまな顔を持つ彼女が生み出す新たな価値観を読み解いていきたい。

 まず、娘の顔と名前を公表しないというポリシーが興味深い。

 常にSNSが身近にあるZ世代では、SNSを通して出産報告をすることが当たり前と化しており、子どもの写真を載せるためにアカウントを作る人も多い。ごく少数の友人にしか見えないように設定している人もいるが、全体に写真を公開している親が多いのも事実だ。

 身近にあるからこそ、その怖さを認識していない人が多いなか、まやと、夫の前田俊(以下、しゅん)は、「SNSが主流になってきている分、どこからでも嫌なことが言える。世間に顔が知られてると嫌だなって思うかもしれない」という想いからそのルールを決めた。妊娠・出産報告をした時に集まった批判の声により、ネットの怖さを痛感したためだ。

 たしかに、自分の生まれたばかりの写真が不特定多数の人に公開されていたら……と考えると少し恐怖を感じる。意志がないまま載せられているのだから、子どもが成長した時に嫌悪感を抱くこともあるかもしれない。モデルとしての顔を持つまやが、娘の将来を考えて、顔出しをしないという選択をしたことは、Z世代の親にとって大きな影響をもたらすのではないだろうか。

 その一方で、スマホネイティブならではの育児法もうかがえる。離乳食のアイデアは、アプリを活用。便利なベビーグッズもTikTokなどで検索し、SNSのコメントを見て、そのアイテムを購入することもあるらしい。夫のしゅんも、おむつ替えの方法をYouTubeで覚えたと話す。

 親や友人に聞くよりも気軽で、すぐに答えが返ってくるネットは、子育てをしていく上で必須のアイテムになっているそうだ。コロナ禍により、実際に家に来てアドバイスをもらうことが難しくなっているなか、彼女たちの子育て法は参考になるところも多い。

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