リプライに「down vote(反対ボタン)」を搭載? Twitter大国・日本の風紀は正されるか

 現地時間の2021年7月21日、米Twitterは公式サポートアカウントにて、リプライでの会話に「up vote(賛成)」と「down vote(反対)」をはじめとする、いくつかのボタンを一部iOSユーザーを対象にテストしていると発表した。

 画像には3種類のリプライ表示が並んでおり、それぞれ新しいボタンが追加されている。左のリプライは上向きボタンと下向きボタンが、中央のリプライはLikeと下向きボタンが、右のリプライはサムズアップとブーイングのボタンが追加されている。ちなみに現在のTwitterのUIは、オリジナルツイートもリプライも同じアイコンが表示されており、左から順にリプライ、リツイート、ハート型のLikeとなっている。

 Twitter社によると、これらの反対ボタンは「Dislike(よくないね)ボタン」ではないとのこと。また、反対の数はそれを押したユーザーからしか見えず、反対の数でリプライの並びが変わることはないとしている。賛成ボタンの数はそのままLike数として表示される。

 よくないねボタンは、SNSの巨人たるFacebook社が2018年頃にテストしていたが、その時も同社は「これはDislikeではありません」とコメントしていた。テストの結果、よくないねボタンは実装にはいたらず、いまでは2015年に実装されたいくつかの顔文字(悲しみや怒り、驚きの顔もある)が残るのみだ。

 そもそもTwitterについてのよくないねボタンは2020年末頃より登場の兆しがあった。プロダクト責任者のKayvon Beykpour氏は「反対票機能はプラットフォームの優先事項ではないが、模索しているものでもある」とツイートしていたことがある。

 この発言は、サイバーセキュリティ専門家のJackie Singh氏とのやりとりで出たもの。botやハラスメント、フェイクニュースの拡散を防ぐため、Dislikeボタンを実装してはどうかと提案された流れの発言だ。

 SNSやネット上のコミュニティにおいて、治安維持は大きな課題のひとつだろう。フェイク動画やフェイクニュースなどは、拡散してしまうと訂正には何倍もの労力が必要だ。しかし発言そのものを大きく規制するのは、これもまた問題となる。例えばネットゲームなどでは差別用語を発言すると強制的に伏せ字(※※という風に見える)になるものもあるが、意図せぬ発言であっても伏せ字になってしまい、コミュニケーションに齟齬をきたすこともある。「ああなるほど」が、「あ※※※ほど」といったように、あまりに潔癖な規制は可笑しく感じるものだ。

 Twitterにはブロックやミュートといった機能があるが、自分のコミュニティから嫌なものを排除する機能に比較的長けたサービスだと筆者は思っている。今回のdown voteボタンについて、Twitterは「会話に関連していない返信であることを知らせるためのもの」とコメントしている。カジュアルに表現するなら「空気読めよ」といったところだろうか。

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