芸能人はClubhouseを活用していくのか? 情報漏洩のリスク、新規ファンの獲得などから考える

芋づる式にファンを獲得できる可能性

 Clubhouseの特徴として、自分がフォローしているユーザーが入っているRoomが一覧に表示される点がある。つまり、自分が興味を持つかもしれないRoomがレコメンドされる形なのだ(つまり知り合いだからといって無闇にフォローせず、興味関心が近しい人をフォローすることを推奨する)。

 たとえばユーザーAがとある芸能人のRoomを覗き、Listenerの中から見つけた興味関心の近しいユーザーBをフォローしたとする。ユーザーBが別のRoomにいるとき、ユーザーAにはそのRoomがレコメンドされるため「もしかしたら自分も興味がある人がいるかも?」となるわけである。

 芸能人、特にお笑い芸人などは営業やイベントなどリアルな活動の場が制限されている今、Clubhouseは潜在的なファンを獲得する格好の場である。Clubhouseでたまたま会話を聞いてくれた人がファンになり、配信チケットを購入したり、有料ライブに足を運んでくれる可能性があるかもしれない。逆に言えば、すでにファンがたくさんいて、自分の発言にお金が支払われる場が多く、困っていないということであれば、Clubhouseを利用する利点はあまりないのかもしれない。

これからも芸能人はClubhouseを活用するのか?

 結論から言えば、これからもしばらく一部の芸能人がClubhouseを活用していくだろう。招待される人数が増えてユーザー層も変化し、対象がiOSだけでなくAndroidにも拡大する可能性もある。アクティブなユーザーがどんな層になっていくかはわからないが、芸能人がClubhouseを活用する利点は大いにある。

 ただなんとなく開いて、物珍しさにいろんなRoomを覗き、偶発的な会話を楽しむ。芸能人によるそんな活用の仕方はもうなかなか見られないかもしれないが、先に述べたような活用方法で芸能人がファンを獲得したり、イベントや番組の種として実験をしたりすることはこれからもあるはずだ。

■鈴木 梢
すずき・こずえ。1989年、千葉県市川市生まれ。出版社や編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に日本のエンタメ/カルチャー分野の企画・執筆・編集を行う。
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