スマホは“巻く”と“折りたたむ”、どちらが使いやすいのか?

 近頃、スマホ市場に変革の波が押し寄せている。それは「Galaxy Z Fold2」をはじめとする、「フォルダブルスマホ」の登場だ。これまでのスマホとは違う、"折りたためる形状"は大きな注目を浴びた。

 そんな中、対抗馬として現れたのが「ローラブルスマホ」である。巻き込み式で画面サイズが変わる仕様は、フォルダブルと同じく、スマホの未来を感じさせる仕上がりで話題となった。

 そこで本稿では、今後普及していく中で、フォルダブル・ローラブルのどちらがユーザーにとって使いやすいのかを探っていきたい。

「フォルダブル」スマホとは?

Galaxy Z Flip

 「フォルダブル(Foldable)」は、日本語で"折りたためる"という意味を持つ。つまり「フォルダブルスマホ」とは、折りたためるスマホのことだ。携帯電話の折りたたみ式とは異なり、フォルダブルは特殊な液晶を使うことで、画面自体を折り曲げることができる。

 これまで、携帯電話やゲーム機、パソコンなど、あらゆるガジェットに折りたたみ式が登場してきた。そんな中始まったスマホのフォルダブル化も、必然的な流れといえるだろう。

 世界初のフォルダブルは、中国の電子機器メーカー・Royoleから登場した。2018年11月に発表された「FlexPai」は、画面が外側に来る「山折型」のフォルダブルだ。画面を広げると7.8インチ、折りたたむと一般的なスマホと同じサイズになる。当時、SamsungやHUAWEIからの登場が期待されていたなか、予想を裏切って発表された1台だ。

 2019年前半には、Samsungが「Galaxy Z Fold」、HUAWEIが「Huawei Mate X」を発表する。その後、各社から市販モデルが登場したが、実際に発売されたフォルダブルは、どれも満足のいく出来ではなかった。

 そんな中、フォルダブルの名を一躍世に広めたのが、2020年にSamsungから登場した「Galaxy Z Fold2」「Galaxy Z Flip」だ。

 「Galaxy Z Fold2」は、横に開くタイプのフォルダブルで、「Galaxy Z Fold」の後継機となる。従来機から大きな変更点はないが、実用性を高めたマイナーチェンジで好評を博した。

 一方、「Galaxy Z Flip」は、縦に開くタイプのフォルダブルで、ゲームボーイアドバンスSPのような外観が特徴的だ。折りたたんだ際の小柄なフォルムは、唯一無二の存在感を放っている。

 どちらも画面が内側に来る「谷折型」を採用しており、RoyoleやHUAWEIの「山折型」とは異なる仕様だ。

 両機種とも登場してすぐに、その完成度の高さで話題となった。また韓国の人気ドラマ「梨泰院クラス」や「サイコだけど大丈夫」で作中の登場人物が使用したり、Samsungの公式YouTubeで「BTS(防弾少年団)」とコラボしたりするなど、優れたマーケティングによって、より多くの人に広まったといえる。

 このように各社からフォルダブルスマホが登場しており、近年市場が盛り上がっている状況だ。現在、市販モデルを発売しているのは、「Royole」「HUAWEI」「Samsung」「Motorola」などのブランドだが、今後より多くの企業から発売されることが予想される。

「ローラブル」スマホとは?

 「ローラブル(Rollable)」は、日本語で"巻ける"という意味を持つ。つまり「ローラブルスマホ」とは、巻けるスマホのことだ。"巻ける"といっても、スマホ自体を巻物のように丸めるわけではない。何らかの動作を加えることで、内部に格納された画面が伸縮し、大きさが変わる仕組みを採用している。この内部で液晶を巻きつける仕組みから、ローラブルと名付けられた。

OPPO X 2021 Rollable Concept Phone First Look! [CN]

 昨年末には「OPPO」が、年始には「TCL」や「LG」がコンセプトモデルを発表したことで話題になっている。ちなみに2021年2月現在、ローラブルの市販モデルは登場していない。


 もし、ローラブルが実用化されれば、フォルダブルのライバルになることは間違いないだろう。今年は、市販モデルの登場が予想されており、フォルダブルとの覇権争いが注目される。

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