新しいSNSの覇権は“声”が握る ClubhouseやTwitter「Spaces」ヒットの要因と課題
Clubhouseの始まりとこれから
Clubhouse創設者のPaul DavisonとRohan Sethは2011年に繋がった後、それぞれが作ろうとしていたネットワーキングアプリのアイディアを2019年に再開し、現在のアプリへの原型を開発することとなった。ただ人々が集まって会話できる場所を作りたい、偶然の繋がりを提供したいという想いだったのが新型コロナという世界事情と合致した。多くの人々がビデオ参加しないといけないオンライン会議にストレスを感じ今までのように外に出て人と会話できないことに不服を抱えていた。
Clubhouseの可能性として挙げられるのが、音声のみに焦点を当てている点だ。他のアプリが文章や動画などをベースにしている中、Clubhouseは唯一の「音声のみ」をサービスとして提供している。TikTokやインスタグラムなどのビジュアルベースや匿名性の強い文章とは異なり、「声」の直接性は繋がり方に新しい次元を与える。様々な投資家たちから注目を浴びているClubhouseは資金調達二周目を受けて、クリエイター助成プログラムを開始する予定だと発表した。
現在、ユーザーからのマネタイズはできていないClubhouse。次の課題は、収益のベースをどこにおくかというところだろう。関係者は、定額制やイベントのチケット制など今後数ヶ月かけて試していく予定だと話している。また、昨年アプリ上で反ユダヤ主義について発展した議論があり、これを受けて多くのユーザーたちが懸念を示したことからガイドラインの見直しやヘイトスピーチなどへの管理・フィルタリングにも取り組んでいく必要がある。これらのハードルを超えた先に新しいSNSの未来が待っているのかもしれない。
■mugiho
ニュージーランドの大学でマオリ文化の発展・都市計画・教育について学びながら映画、テック、文化芸術について執筆するフリーライターと翻訳家。人間観察をしながらたまにそれらについて書いたり撮ったりしている。
〈Source〉
https://www.joinclubhouse.com/welcoming-more-voices
https://www.business-standard.com/article/technology/forget-tiktok-audio-based-clubhouse-is-social-media-s-next-big-thing-121012500117_1.html
https://thehustle.co/01252021-clubhouse-unicorn/
https://www.theverge.com/22188075/12-predictions-consumer-internet-2021-labor-apps-social-networks
https://techcrunch.com/2021/01/24/clubhouse-announces-plans-for-creator-payments-and-raises-new-funding-led-by-andreessen-horowitz/
https://www.theverge.com/2020/9/30/21495419/clubhouse-conversation-antisemitism-content-moderation
https://techcrunch.com/2020/04/18/clubhouse-app-chat-rooms/
https://techcrunch.com/2020/12/17/twitter-launches-its-voice-based-spaces-social-networking-feature-into-beta-testing/