iPhone 12 miniの“不振”について、海外メディアが徹底調査
iPhone 12 miniは、Appleが現行シリーズで新たに投入した小型モデルだ。低価格で目新しいもの好きの注目を集めると思われていたが、蓋を開けると売れ行きは芳しくない。そんな新たな取り組みについて、2021年にリリースされるiPhone 13シリーズも念頭に置きながら、海外メディアが議論を展開している。
意外にも絶好調のiPhone 12 Proは増産
小型モデルiPhone 12 miniは、主にアメリカとヨーロッパの市場をターゲットに発売されたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)大流行が、これらの地域の売上に影響を与えていると『MacRumors』は報じている(参考:https://www.macrumors.com/2021/01/22/poor-iphone-12-mini-sales-supply-chain/)。
その結果Appleは、iPhone 12 miniの主な製造業者であるPegatron(台湾)への発注を減らしていると台湾メディア『DigiTimes』は伝えている。
東アジア市場では、歴史的に大きなフォームファクタのデバイスが支持されており、中国は世界の他の地域と比較して、ここ数カ月、パンデミックの深刻な影響を受けていない。
より人気のあるiPhone 12 Proの待ち時間を短縮するために、Appleは2021年第1四半期にiPhone 12 miniの生産を200万台減らし、iPhone 12 Pro製造能力の増強へシフトした、とMorgan Stanleyは報告している。
iPhone 12 miniは所有者が幅広く満足しているにも関わらず、販売台数が伸び悩んでおり、iPhone 12シリーズ全体のわずか6%しかない。一方、iPhone 12 Proの発注は増えており、製造を行うFoxconnは第1四半期に勢いが増すとみられている。
iPhone 12 mini減産はAppleにとって朗報?
これがもし正しければ、Appleにとって朗報だという見方を『9to5Mac』は示している(参考:https://9to5mac.com/2021/01/22/iphone-12-mini-production/)。
小型で低価格のiPhone 12 miniより、ハイエンドモデルiPhone 12 Proの方が、収益が高いとみられているからだ。AppleはiPhone 12シリーズ、とりわけ2つのProモデルの需要に嬉しい驚きを覚えていると伝えられている。
Appleの内部事情に詳しいTF International Securitiesのアナリスト、ミンチー・クオ氏の情報筋によると、需要はiPhone 12とiPhone 12 Proで大きく二分しているという。サプライチェーンのレポートには、AppleがProモデルにのみ搭載されているLiDARスキャナーコンポーネントの発注を増やしている記されており、これを裏付けている。
Appleは、iPhone 12 Proの没入型ARに使用できるLiDARスキャナーをサポートするVCSELチップの発注を増やす予定だ。iPhone 12 Proの需要は非常に強く、製造業者の納期を伸ばす必要が出ている。