Apple、ティム・クックCEOらが“人種の公平性”に関する新プロジェクトについて語る
Parlerには24時間の猶予を与えていた
前出のCBS This Morninngのインタビューでは、クック氏がSNSアプリのParlerに言及する一幕があった。同アプリは、既報の通り、TwitterやFacebookから締め出されたトランプ支持者の受け皿となっていた。しかし、同アプリは暴力や違法行為を扇動する恐れがあるとして、App StoreとGooglr Playから削除されたのだった。
クック氏のParlerに関する言及を詳しく報じたBusiness Insiderの記事によると、同アプリを削除する24時間前、Appleは同アプリの運営元に対してApp Storeガイドラインに違反しており、直ちに是正するように警告した。こうした警告の甲斐なく是正が認められなかったので、同アプリは削除されたのだった。
クック氏はCBS This Morningの共同ホストのGayle King氏に「Parlerはモデレーション(「節度」を意味する英単語)に問題を抱えています。Parlerの運営元はモデレーションを高める必要があり、わたしたちの願いは彼らが(モデレーションを取り戻して)ストアに復帰するなのです」と答え、同アプリの運営元にApp Storeガイドラインの遵守を呼びかけた。
新イニシアティブやParlerに対する言動から、Appleの社会的責任を果たそうとする姿勢が見て取れる。こうした巨大テック系企業の社会的責任に関しては、今年は独占禁止法をめぐって活発に議論されるだろう。
トップ画像出典:US版Apple公式サイトNewsroom「Apple launches major new Racial Equity and Justice Initiative projects to challenge systemic racism, advance racial equity nationwide」より画像を引用
■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi