iPhone 12は10月最も売れた5Gスマホだった iPhone 13シリーズは全機種LiDARスキャナ搭載か?

 iPhone 12シリーズはiPhone初の5Gスマホであり、5Gへの大きな乗り換え需要「スーパーサイクル」が発生すると予想されていたが、コロナ禍により発表と出荷が例年より遅れるという不測の事態が生じたので売れ行きが危ぶまれた。しかし、やはりiPhoneは強かった。iPhone 13シリーズに関する新たな情報も届いた。

2週間で1位を獲得

 調査会社Counterpointは21日、2020年10月における世界の5Gスマホの売上シェアランキングを発表した(下の画像参照)。iPhone 12が16%で1位、2位はiPhone 12 Proの8%で2位であった。

 1位と2位を合計すると24%となり、10月に売れた5Gスマホの4台に1台はiPhone 12シリーズということになる。この2機種の予約開始日が10月16日だったことから、2週間ほどで1位と2位にランキングされたことになる。なお、iPhone 12 miniとiPhone 12 Pro Maxの予約開始と発売日は11月だったので、このランキングには入っていない。

 iPhone 12/12 Proが発売当初から世界的に売れた理由のひとつとして挙げられるのが、アメリカ市場での好調がある。アメリカではキャリアのプロモーションが功を奏して、世界におけるiPhone 12/12 Proの売上の約3分の1以上が同市場のものであった。巨大市場である中国、iPhoneシリーズのシェアの大きい日本においても売上が好調でった。こうした勢いは、2020年末のホリデーシーズンまで続くと予想されている。

 アメリカのみiPhone 12/12 Proが5Gのミリ波に対応している。それゆえ、iPhone 12/12 Pro発売以降、アメリカにおけるミリ波対応スマホの普及率が9月の5%から10月には12%に上昇した。

 iPhone 12/12 Proの躍進により、10月における世界のスマホ売上に対する5Gスマホ売上のシェアは過去最高の24%であった。

供給は世界的に安定化

 Apple ニュース専門メディア『appleinsider』は22日、世界各国のiPhone 12シリーズのリードタイム(予約から入手までに要する日数)をまとめた記事を公開した。

 世界各国のリードタイムに先立って日本の状況を見ると、Apple公式サイトからiPhone 12シリーズを購入する場合、それぞれの機種の購入ページには「最短で翌日に非接触でお届けします」と表示されている。また、ドコモに関してはオンラインショップで入荷スケジュールが確認できる。2020年12月15日が最新更新日なのだが、iPhone 12 miniはすぐに購入可能、そのほかの機種は1月中旬~下旬である。

 世界各国のiPhone 12シリーズのリードタイムをまとめると、以下のように遅くとも1ヶ月以内には入手できる状況である。

・アメリカのリードタイムはiPhone 12 Proが29日、iPhone Pro Maxは19日、iPhone 12と12 miniは4日。
・中国はiPhone 12 Proが23日、iPhone Pro Maxは11日、iPhone 12が2日、iPhone 12 miniが1日。
・ドイツはiPhone 12 Proが25日、iPhone Pro Maxは21日、iPhone 12と12 miniが10日
・イギリスはiPhone 12 Proが25日、iPhone Pro Maxは22日、iPhone 12と12 miniは1日。

 iPhone 12シリーズに限って言えば売上は堅調に推移し、在庫状況も悪くないと言える。しかしながら、5Gスマホ全体の売れ行きは予想より鈍い。appleinsiderの17日付の記事によれば、JPモルガンのアナリストSamik Chatterjee氏はiPhone 12シリーズの売れ行きが好調であっても、その好調が5Gの熱狂的普及の導火線にはならない、と分析している。

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