Apple Watchで悪夢の治癒が可能に スマートウォッチのウェルネス商戦は激化の一途
FDA(米国食品医薬品局)は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)による悪夢の治癒に効果があるとして、NightWare, Inc.のApple Watch向けアプリ「NightWare」の販売を承認した。ウェルネス市場の急成長を受け、スマートウォッチはますますヘルスケアアイテムとしての地位を確立している。
スマートウォッチ用アプリで悪夢の治癒が可能となるか
NightWare, Inc.によると、米国では約800万人がPTSDに苦しんでおり、患者のおよそ8割が悪夢を経験しているという。
「NightWare」は、2015年にアプリの開発を開始したTyler Skluzacek氏の手を借りて設計され、最初のテストの後、治療薬として販売するためにFDAから承認を受けた。同アプリは、Apple Watchのセンサーを利用して体の動きや睡眠を測定し、ユーザーが悪夢を見ていることを感知すると、Apple Watchが振動してユーザーを起こさずに睡眠から覚醒させる。同社によれば、覚醒させても睡眠周期を乱すことはなく、患者はより良い睡眠をとることができるという。
FDAの医療機器・放射線保健センターの神経物理医学機器局長であるカルロスペーニャ博士は、「悪夢による睡眠障害がある人は、必要な休息をとることができない。今回の認可によってそのような人たちに、デジタル技術を使用した、新しくかつ低リスクの治療オプションを提供できるようになる」と述べている。
同社のCEO、グレディ・ハンナ氏は、「現役、または退役軍人や、この症状に悩む全ての人々を救うことが我々の使命。悪夢からくる睡眠障害を軽減するための治療法として認められた唯一のデバイスとして、『NightWare』を導入できることを嬉しく思う」と承認を喜んだ。
「NightWare」は処方箋でのみ入手可能であり、家庭内での使用を目的としている。同社は、同アプリのみで睡眠障害を治癒するのではなく、ガイドラインに従った処方薬や、医師が推奨する他の治療法と組み合わせて使用する必要があることを強調した。