新型コロナの影響で収益激減
新型コロナの影響で収益激減、現役YouTuberたちの悲鳴
現在、新型コロナウイルスの影響によって経済的な苦境に立たされている業界は数多い。飲食・旅行業界ほどではないにしろ、意外な業界がコロナウイルスの影響で減益している、それがYouTuberだ。
本稿では、YouTubeの基本的な収益化の仕組みについて説明したうえで、コロナウイルスによってYouTuberが収益面でどのような影響を受けているかを解説する。
YouTuber、4月に入って収益激減?
2020年の4月に入ってから、さまざまなジャンルのYouTuberたちが示し合わせたかのように「YouTubeの広告収益が減少した」という旨の動画をアップロードしている。チャンネル登録者115万人(2020年4月21日時点)の「PDRさんチャンネル」に、ビジネス系で普段は広告単価が高いはずの「もふもふ不動産チャンネル」、交通系の情報を発信している「スーツ背広チャンネル」など……どれも新型コロナウイルスの影響で例年よりも収益が減少しているといった内容になっている。
YouTubeの収益のシステム
そもそもYouTubeの広告収益は企業がYouTube(Google)に支払った広告費の一部(55%)を、広告動画の再生回数やクリック数に応じてYouTubeが動画投稿者に支払う、という仕組みなのはご存じの通りだが、この広告収益は一定ではない。
よくYouTubeの収益は”1再生あたり0.1円”だと言われるが、実際にはジャンルや動画の長さ、その他チャンネルや動画ごとの特徴によって1再生あたりの広告収益は変わってくる。
実際に1再生0.1円のチャンネルもあれば、ビジネス系など広告単価の高いチャンネルでは1再生あたり1円以上の広告収益になることもあるようだ。
そして広告収益は、企業がこぞって広告を出す決算期の3月に1年の間で一番高くなる。逆に3月を過ぎた4月は、もともとコロナがなくとも広告収益が3月と比べるとどうしても下がる月なのである。
YouTubeの広告は、オークション形式のようなシステムで成立しており、広告を出したい広告主が多ければ多いほど広告費は高くなる。当然、現在のような経済状況で、キャッシュに余裕のない企業や広告を打っても集客が見込めない業界は広告出稿を控える。そうなってくると、広告枠が安値で競り落とされるため、YouTubeが受け取る広告費も下がるというわけだ。