YouTube、TikTok風の新機能「Shorts」を開発中 存在感増すTikTokに対抗か
新型コロナ流行下で生まれたTikTokリミックス
TikTokのリミックス効果は、新型コロナウイルスが流行している最中でも生じている。ビジネスインサイダーは先月27日、新型コロナに関するTikTokのリミックス事例を紹介した。紹介されたのは、ベトナム人のダンサーQuang Dang氏が作ったTikTok動画で、YouTubeからも見ることができる(下の動画参照)。
上記動画に使われている楽曲は、ベトナム人歌手のMinとErikが歌った「Ghen(嫉妬、の意)」を新型コロナ啓発のためにベトナム保健省がリミックスしたもの。この楽曲にさらに手洗いを推奨するダンスを追加して完成したのが、上記動画だ。
手洗いを推奨するポジティブな内容のTikTok動画がある一方で、愚行を拡散するものもある。アメリカのダブロイド紙New York Post電子版は先月25日、「コロナウイルスチャレンジ」の末に起きた悲劇を報じた。コロナウイルスチャレンジとは、公衆トイレの便座やドアノブといった明らかに不特定多数の接触が認められる箇所をあえてなめる姿を動画に撮影して投稿する、という悪ふざけ動画だ。アメリカ・カリフォルニア州に住むTikTokユーザのLarzは、コロナウイルスチャレンジを実行している動画を投稿した。その2日後、病室のベッドにいる様子を投稿して、新型コロナウイルスに感染したことを告白したのだった。
以上のようにリミックス効果で存在感を増しているTikTokに対して、YouTubeはネットワーク効果に訴えた言わば物量作戦で挑んでも簡単には成功しないだろう。とは言え、Shortsの登場は今年後半におけるテック業界の注目ポイントとなると見てよいだろう。
トップ画像出典:YouTube公式チャンネルおよびTikTokのTwitterアカウントより画像を引用
■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi