ゲーム実況グループ“ナポリの男たち”がYouTubeに進出中 しかし変わらない独特の空気感
niconicoとのすみ分けはどうなる?
人気実況者のYouTubeデビューが相次ぐなかで、ナポリの男たちは「ニコニコ最後の砦」とも言われてきた。先述のニコニコチャンネルもアクティブに動き続けており、“活動の場を本格的にYouTubeに移す”という流れには見えず、両プラットフォームのメリットをそれぞれに活用し、ファンを楽しませていくのだろう。
YouTubeを利用するメリットとして大きいのは、長時間配信が容易にできる点だ。ニコ生においては、基本的に30分毎の放送枠が設定されており、ユーザー生放送は6時間、チャンネル生放送では24時間まで自動延長が可能だが、YouTubeには生配信の時間にそもそも上限がなく、実際、ナポリの男たちは24時間を超える配信も行なっている。
また、当然ながらniconicoと“客層”が違うことも大きいだろう。長く活動を続けていく上で、新規ファンの獲得は避けて通れない。そのことも考えると、コアなファンがつき、ゲーム実況という文化についても理解が深いユーザーが多いniconicoでは、彼らのキャラクターを活かしたトークやチャレンジングな企画を投入し、ライトなユーザーが多いYouTubeでは、より広く受け入れられる企画や、気軽に出入りができる長時間配信を行なうという、すみ分けも生まれていくかもしれない。
「ナポリの男たち」独特の空気感は変わってしまうのか?
長年のファンにとって気になるのは、YouTube進出で彼らが生み出す独特の空気感が変わってしまうのではないか、ということだ。しかし現状を見てみると、長時間配信でも、それぞれのYouTubeチャンネルにアップされた動画においても、大きく変わった印象は受けない。niconicoでの視聴になれている身としては、画面上にコメントが流れないことに違和感を覚えてしまうが、長時間の生配信では、初めて全員が同じ空間に集まってダラダラするという、よりゆるい姿も見られるようになった。
ゲーム実況者や動画クリエイターが活動を続けていくためには、ときに活動の場を広げることも含めた変化が必要だ。そのなかで、持ち味を失わず、“らしさ”をさらに深めていくクリエイターとしての強さが、ナポリの男たちメンバーにはある。今後も変わらず、適度に力の抜けた動画や生配信をファンに届けてもらいたいところだ。